自国開催の大舞台で浮かび上がった収穫と課題は――。陸上の世界選手権(世界陸上、東京・国立競技場)は21日に全日程が終了。女子はマラソンで7位入賞の小林香菜(24=大塚製薬)や、5000メートルで入賞争いを演じた田中希実(26=ニューバランス)、17歳で大舞台に立った800メートルの久保凛(東大阪大敬愛高)が注目を集めた。五輪4大会連続出場で2013年世界選手権マラソン銅メダルの福士加代子さんは現地などでチェックし、女子日本勢の戦いぶりを総括した。
マラソンではサークル出身の元市民ランナーが激走を見せた。一度は入賞圏外まで順位を落とすも、初の大舞台で堂々の7位入賞。福士さんは「速くないように見えて、そのまま押していけるのが彼女の強み。暑さがある中でも、あれだけのパフォーマンスをできたのはすごい。後半も落ちなかったので、落ちてきた選手をどんどん拾えた。伸びしろは〝底なし〟かもしれない」と太鼓判を押した。
ただ、世界との差については「まだあると思う。特にスピードが」と冷静に分析。打開策として「もうちょっとレースの主導権を握れるぐらいになれたら最高かな。今は前についていって、落ちた選手を拾っていくレースしかできていない。先頭に出てレースを動かすぐらいのことを日本勢ができたらいいと思う」とアドバイスを送った。
5000メートルでは田中が存在感を発揮。予選で14分台をマークすると、決勝では終盤に先頭集団でレースを展開するなど、攻めの姿勢を披露した。「ワクワクするレースだった。予選の前半から先頭で走る姿は久しぶりに見たし、決勝でもワンランク上の走りをやろうとしていたと思う」と評価した。
一方で予選敗退に終わった1500メートルや、5000メートルの決勝ではスピードの重要性を再認識させられた。「スピードを出すためのギアが、まだうまくハマっていないかな。ラスト1周とかで硬くなっているイメージがある。(スピードを)出そうとしすぎているというか、うまく(脚を)回していけるポイントがあるだろうけど、そこがまだ見つかっていないと思う」と指摘した。
800メートルの久保は予選敗退に終わったが「走りは悪くなかった」との見解だ。その上で「あとは経験だけ。レース時の位置取りが悪かった。前に行って、ちょっと人と押し合うぐらいのことができればよかった。でもまだ人と競り合うとか、海外の選手と腕が絡まるようなレースの経験がなかったと思うので、位置取りでちゃんと前に出られるようになれば準決勝に行ける実力はあると思う」と期待を寄せた。
世界の猛者たちとの対峙を通じ、多くの収穫を得た女子日本勢。2027年北京世界選手権、28年ロサンゼルス五輪への飛躍につなげることはできるか。












