パ・リーグのペナントを占う首位対決が18日にみずほペイペイドームで行われ、ソフトバンクが2位の日本ハムに3―2で逆転勝ちを収めた。勝利が絶対条件だった日本ハムは4・5ゲーム差に広げられ、優勝は極めて厳しい状況に追い込まれた。何が両チームの明暗を分けたのか。日本ハムOBでもある野球評論家・柏原純一氏が指摘した〝1球〟とは――。

【柏原純一「烈眼」】敗れた日本ハムのV達成は厳しい状況となった。とはいえ、まだCSがある。レギュラーシーズンを何位で終えるにせよ、ホークスと日本ハムはポストシーズンで相まみえる。その想像がつくからこそ、この日先発マスクをかぶった田宮裕涼捕手(25)には、同点弾を浴びた場面を〝教訓〟としてほしい。

 1点リードの8回一死。3番手の古林が投じた152キロの直球が真ん中に入り、栗原に一撃で仕留められた。結果論ではなく防げた一打だ。

 捕手としては、それまでの打席を踏まえて配球を考えてほしかった。栗原は2安打1四球。2回の右翼線への二塁打、6回の中前打はいずれもカウント1ボールからの直球だった。要するに、ストライクゾーンに来たら初球から積極的にスイングする傾向にあった。それが直球であれば、なおさら振らない理由がない。マストで振ってくる球種であるにもかかわらず、あまりにも簡単に入りすぎた。

 どうしても直球から入りたいのであれば最低限、長打になる可能性が最も低い外角のボール球から入るなど、リスク管理が最も求められる場面だった。結果から見ても、この栗原の同点弾から古林は制球を乱し、試合は一変してしまった。

 ましてや試合終盤を迎える流れからしても、日本ハム側は2―1のまま逃げ切り、同点に追いつかれてはいけない局面だった。7回裏に2番手・上原が一死満塁の大ピンチを連続三振で切り抜けたシーンを、この試合のハイライトにしなければならなかった。8回の栗原への1球は、7回途中まで4安打1失点、110球の好投を見せた先発・北山などの数々の踏ん張りを台なしにしてしまう痛恨の配球だった。

 来月のCSでは、この日のような息詰まる熱戦を繰り広げる可能性は大いにある。だからこそ、田宮には捕手として守り切れなかった事実に目を向け、糧としてもらうことを願うばかりだ。

(野球評論家)