地道な取り組みが実を結んだ。カーリングの2026年ミラノ・コルティナ五輪最終予選日本代表候補決定戦最終日(14日、北海道・稚内市みどりスポーツパーク)、決勝第3戦は、フォルティウスがSC軽井沢クラブに6―5で白星を奪取。通算成績は3勝2敗となり、世界最終予選(12月、カナダ)への出場が決まった。4日で8試合の激戦を乗り越えた裏には〝入念な下準備〟が隠されていた。

 クールな大黒柱がガッツポーズを見せ、瞳を潤ませた。5―5の第10エンド(E)にスキップ・吉村紗也香が投じた最終投は、数センチの差でナンバー1の石を獲得。チームメートと輪をつくって喜びを分かち合った吉村は「緊張で途中におなかも痛くなったけど、プレッシャーがある中でもしっかりと最後決め切れたのは自信になった」と声を弾ませた。

 今大会は吉村を筆頭に、各選手が要所で正確なショット、スイープを見せたことが勝利につながった。大一番での安定感は氷上外のトレーニングが大いに生きている。

 かねて元陸上選手の仁井有介氏に指導を仰ぎ、ハードルやラダーを使ったトレーニングを実施。またボディコーチの赤川詩織氏からバレエを習い、体の使い方を一から学んだ。フィフス・小林未奈は「股関節を大きく使ったり、速く強く動けるようなメニューをやっている。バレエでは強いかつしなやかに自分の体をコントロールすることで、氷上でのプレーの安定感につながった」と効果を明かした。

 さらに今大会前には韓国・江陵でレギュレーションを想定した合宿を敢行。韓国の強豪チームから強化合宿の誘いを受け、多くの試合を消化した。サード・小野寺佳歩は「細かい作戦面やスケジュールも大会に近いような形だったので、体力面の部分や大会を通して作戦のやり方などを確認することができた」と収穫を口にした。

 さまざまな角度からアプローチしたことで、チーム力の底上げに成功。22年北京五輪銀メダルのロコ・ソラーレ(LS)、SC軽井沢クラブとの三つどもえを制し、悲願の五輪切符に望みをつないだ。

 世界最終予選には8チームが名を連ね、上位2チームに入れば五輪の代表となる。「自分たちでしっかりと五輪の出場権を獲得して、自分たちの目標である五輪で金メダルというところに向かって頑張っていきたい」と吉村。フォルティウスの物語はまだまだ続く。