阪神・藤川球児監督(45)は7日の広島戦(甲子園)に2―0で勝利したことで、球団創設90周年の歴史の中で初となる、指揮官就任1年目Vの快挙を達成。球場を埋め尽くした大観衆から「六甲おろし」の大合唱が鳴り響く中、歓喜の輪の中で計5回、宙を舞った。

 胴上げ終了後、優勝監督インタビューに臨んだ青年指揮官は第一声で「いやあ、選手たちが強いわ」と語り、相好を崩す。自身の胴上げを「ファンの皆さんを代表して胴上げしてもらっている気持ちだった。最高の気持ちです」と振り返り、大喝采を浴びた。

 この日の一戦では虎先発の才木が5回に先頭打者・石原に頭部死球を投じてしまい、危険球退場となるアクシデントも発生。だが、2番手として緊急登板した湯浅が後続の3人の打者をキッチリと封じ込め、窮地脱出に成功した。

 6回以降は桐敷→及川→石井ら自慢の中継ぎ陣を総動員し、鯉打線の反攻を容赦なくシャットアウト。最終9回に守護神・岩崎優投手(34)がマウンドに向かう際、藤川監督が現役時代に自身の入場曲として使っていたリンドバーグの「every little thing every precious thing」がサプライズで流れると、場内は一層大きく沸いた。

 この瞬間を虎指揮官は「(ベンチの)後ろで隠れていました(笑い)。現役の頃は今とは全く考え方が違った。でも、5年程前までは現役だったので、時に選手のような気持ちに戻りそうになるのですが、そこはグッとこらえてですね、この仕事を務めていたので」と万感の思いを込めて語った。

 自身の指揮官としての姿勢について「難しさはたくさんありました。選手たちとの距離感。それからOBの皆さま、僕は若いですから、お世話になった皆さまに距離を置いてグラウンドに没頭する形で、ずっと立ち続けていたので。そのあたりはまたいつか、戦うためだったのでお許しいただきたい」と語る一幕も。指揮官としてのここまでの日々への思いが一気にあふれ出した。

 最後に「世界一とも呼ばれている阪神ファンへのメッセージを」とアナウンサーに話を振られた藤川監督は「3月にはドジャースとカブスも倒しましたので(笑い)。阪神タイガースファンは今最も、日本で熱いファン。私が生まれる前からですけどね。ここから100周年に向けてあと10年ありますが、みなさまぜひ、タイガースの伝統を今後に引き継ぎ、世界に誇れる阪神タイガースにしていきましょう!」と力強く呼びかけた。