中日は28日のヤクルト戦(バンテリン)に4―3で逆転勝利を収め、2カード連続の勝ち越し。Aクラス争いは2位・巨人から5位・中日までが4ゲーム差以内にひしめく大混戦となってきた。2012年以来13年ぶりとなる中日のクライマックスシリーズ(CS)進出はあるのか? 本紙中日担当2年目の熊崎晴香記者(SKE48)と伝説の10・8決戦を取材した宮本泰春記者がドラゴンズの9月戦線を占う。

 宮本 今日のバンテリンドームは〝激アツ〟だった! 7回に上林選手の逆転打が飛び出すとスタンドの盛り上がりは最高潮に達した。

セレモニアルピッチを終えドアラとグータッチする熊崎
セレモニアルピッチを終えドアラとグータッチする熊崎

 熊崎 ものすごい熱気でしたね。私はSKE48の代表として試合前、セレモニアルピッチを務めさせていただいたのですが「CSに出場してほしい」という気持ちを込めて投げさせていただきました。ストライクが決まってうれしかったです。上林選手、細川選手、ボスラー選手のクリーンアップはここにきてさらに力強さを増してますから残り試合での巻き返しは十分期待できますよね。

 宮本 ドラゴンズは9月に猛スパートをかけた年が何度もある。特に印象に残っているのが1994年。巨人との「10・8決戦」があった年だ。

 熊崎 私がまだ生まれる前ですけど、巨人と同率で並んだシーズン最終戦での直接対決は「国民的行事」と呼ばれたんですよね。視聴率もすごかったと聞いています(関東地区での平均視聴率は48・8%でこれは日本シリーズ、WBCも含めた野球中継最高記録。瞬間最高視聴率は67%を記録した。名古屋地区での平均視聴率は54・0%だった)

 宮本 あの年、自分は中日担当1年目だったけど、8月25日時点で中日は首位・巨人と9・5ゲーム差。ここから巨人に追いつくなんて誰も思っていなかった。7月に一部スポーツ紙が「次期監督に権藤博氏浮上」と報じてドラ番はストーブリーグに突入。当時の加藤巳一郎オーナー邸を夜討ち朝駆けする毎日でマスコミもファンの関心も高木監督の次の監督が誰になるかだった。

 熊崎 そんな状況からドラゴンズが9月に一気に巻き返したんですね。

 宮本 9月18日のヤクルト戦から怒とうの9連勝。巨人とのゲーム差が縮まっていくにつれて、名古屋の街はヒートアップしていき、残り5試合で66勝59敗で並ぶと日本中が中日と巨人のデッドヒートに注目。結果的に10月8日の最終戦で巨人に敗れて2位になったけどドラゴンズの話題であれほど日本中が盛り上がったのは後にも先にも記憶にないよ。

 熊崎 選手会長の藤嶋投手にインタビューをさせていただいたときに「ファンの人が熱心に応援してくれるのがドラゴンズのストロングポイント」とおっしゃっていました。バンテリンドームに行くと本当にファンの皆さんの熱さを感じます。94年のように9月にドラゴンズが連勝を重ねてクライマックスシリーズ進出を決めたら名古屋は盛り上がりますね。

 宮本 ずっとBクラスなのに28日でバンテリンドームは20試合連続の満員御礼(3万5000人以上)となった。「空腹は最高の調味料」とはソクラテスの言葉だが、10年以上低迷が続き、勝利に飢えているドラゴンズファンの熱量はセ・リーグNo.1だと思う。だからこそ9月に勝利を重ねていけば名古屋の街は94年に負けないくらい盛り上がる可能性がある。「どこのチームも必死にやってくるし、僕らももちろん相手がどこであれ、ホームでもビジターでも必死にやっていくだけ。必死に食らいついて最後の最後まで粘り切りたい」と井上監督は語っていたが、CS出場のためには29日からのDeNA3連戦(横浜)は絶対に負けられない。

 熊崎 心強いのは8月9日に右ヒジの故障から復帰した守護神・松山投手の存在です。今季セーブシチュエーションでの失敗は0でリーグトップの36セーブ。巨人・マルティネス投手と激しいセーブ王争いを繰り広げていますが、どんどんセーブを積み重ねてタイトルもCS進出もつかみ取ってほしいです。選手の皆さんの頑張りで94年に負けない熱気を名古屋の街に運んでほしい。逆転CS出場に期待しています!