第107回全国高校野球選手権大会の第14日(21日)、準決勝第1試合は日大三(西東京)が県岐阜商を延長タイブレークの末に4―2で下し、全国制覇を果たした2011年以来14年ぶりとなる決勝進出を決めた。

 エースが投打で躍動した。チームの大黒柱・近藤優樹投手(3年)は同点の4回途中からマウンドに上がると、5回に適時打で1点を失ったものの中盤以降は強力な相手打線を封じた。6回以降は1本の安打も許さずシャットアウト。打っては8回に同点打、延長10回には決勝打とバットでも大活躍を見せ、チームの決勝進出に貢献した。

 そしてマウンド上ではこの日も「ノリノリ作戦」を発揮。試合前日にユーチューブで相手校の応援歌を聞き込むという右腕は、この日も体でリズムをとって口ずさみながらの投球。相手の応援をも味方に変える〝鋼のメンタル〟を発揮した。三木監督から「相手の応援にビビるな」と教えを受けているとはいえ、このメンタルにはナインも感服の様子。ある選手は「マウンドで相手の応援にのるってなかなかすごい神経ですよね…」とあらためて、そのすごみを語った。

 そんな近藤の「ノリノリ作戦」は他の選手にも波及している。準々決勝で先発した山口(3年)は「近藤がやっているのを知ってマネというか、いろいろ聞いた」。準決勝の前日にも複数人でユーチューブを見ながら応援歌を聞いたという。

 また、1年生として唯一ベンチ入りしている福井は寮でエースと同部屋だといい「予習」の様子について、こう打ち明けた。「近藤さんは翌日の準備が遅めなんです。なので自分が(2段ベッドの)階段を上って寝ようとしたら相手の応援歌が聞こえてくる。『今聞くのか』と思います(笑い)」。結果的に相手の応援歌が睡眠導入のBGMになっていたといい、「自分も自然と覚えちゃいました」と白い歯をのぞかせた。

 決勝の相手は県独自の応援文化を持つ沖縄尚学。沖縄代表校の「魔曲」としても名高い「ハイサイおじさん」で軽快にリズムを刻み、深紅の大優勝旗を手にすることができるだろうか。