競り負けなかったメンタルの秘訣は──。第107回全国高校野球選手権大会の第13日(19日)、準々決勝の第3試合は県岐阜商が横浜(神奈川)に8―7でサヨナラ勝ち。秋の神宮大会、春のセンバツを制した「大本命」を破り、16年ぶりの4強入りを果たした。
激闘を制した。県岐阜商は5回までに9本の安打を放ち4点をリード。しかし、相手は「絶対王者」。終盤に同点に追いつかれると、試合は9回で決せずタイブレークに突入した。10回に3点を奪われるものの、その裏に3点を返し再び同点。最後は11回に二死一、三塁から4番・坂口(3年)がサヨナラとなる左前打を放ち、激戦に終止符を打った。
安打数は横浜の6本に対して16本。自力で勝利をつかんでみせた。試合後、藤井監督は「本当に子供たちがよく粘って逆転してくれた。(サヨナラの瞬間は)『やった!』とみんなで喜んだ」と選手をたたえた。
横浜は秋、春と全国の頂点に立った今大会の大本命。その実績と名前に試合前から圧倒されてもおかしくないが、ナインに物おじする様子はなかった。その要因には横浜の選手を必要以上に買いかぶりすぎない土台があった。
チームをサポートする渡辺匡宏(くにひろ)トレーナーは同時に横浜でもトレーナー業を兼務している。日本一のチームの強さの「真骨頂」とは何か。神宮大会やセンバツの戦いぶりを見る中で県岐阜商ナインの間でも、横浜の話題になった。当然ながら守秘義務として相手選手のコンディションなど詳細な情報に関しては一切入手できないにせよ、常日頃からの横浜ナインの「意識の高さ」を同トレーナーから耳にして日々学び取っていたという。
加えて、同トレーナーとの雑談の中でオフなどにおける横浜ナインの〝日常の姿〟を知ることもあった。何げなく話を聞いているうちに、県岐阜商の面々の中には横浜が目標の存在であると同時に「相手も同じ高校生」という意識も生まれ、そのメンタルが相手にのまれない空気にもつながった。
チーム内からは「正直、こんなところまで来られるとは」「実感がない」という声も聞こえる。この勢いのまま、笑顔で最後まで夏を走り抜ける。












