パ首位のソフトバンクは5日のロッテ戦(ZOZOマリン)に3―6で敗れ、連勝が「4」で止まった。2位・日本ハムが勝利したことでゲーム差は「0」。先発の前田悠伍投手(20)が5回途中5失点(自責3)でプロ初黒星を喫した。

 敵地の〝洗礼〟を浴びた。ZOZOマリンスタジアムはグラウンドを吹き抜ける強風が名物。前田悠は対応に苦しんだが、初回から打ち込まれ、2回までに6本の安打を集められた。

 4回1/3を8安打5失点(自責3)。20代初登板は苦い結果に終わった。小久保監督は「風の影響はかなりあったと思いますよ。初めてですぐに修正というのはなかなか。球は悪くない。これはもう経験を積み重ねていくしかない」とフォローした。

 そんな左腕が今季、ファームで鍛錬を積んでいた前半戦に「捨てたもの」がある。それが「球速への意識」だ。「球速を意識しすぎるとフォームが崩れて悪くなる」(前田悠)と自己分析。投球フォームや球質にフォーカスして練習に取り組み、球速については「目指すのではなく勝手に出るイメージ」と考え方を設定した。

 雲の上の人でありながらも、目指すべき存在が海の向こうにいる。ともに自主トレも行ったカブス・今永昇太投手(31)だ。150キロ超えが珍しくない現代において、メジャーの一線級で活躍する今永の平均球速は速い方ではない。それでも今永は直球でもメジャーの強打者たちを手玉に取っている。自主トレに自ら志願し弟子入りした前田悠にとって〝投げる哲学者〟の投球術は、これ以上ないお手本だ。

 自主トレでは打席からも、今永独特の真っすぐを体感した。前田悠は「急に来ているというか、気づいたらあるみたいな感じで。あれはすごいです。打席に立ってもやっぱり速く感じた。それが打ちづらさなのかなと思いました」と、そのストロングポイントを語っている。

 この日の試合後「真ん中に行っても高めに行ってもファウルを取れるぐらいの真っすぐを磨いていきたい」と語った前田悠。切望する「今永化」を果たした先に、さらなる進化が待っている。