バレーボール男子のネーションズリーグ(VNL)は30日から中国で決勝ラウンドが開幕し、1次リーグ4位通過の日本は31日に同5位のポーランドと対戦する。主将・石川祐希(29)が在籍するイタリア1部ペルージャでの活動を、専属トレーナーとして支える野口嵩広氏(スポーツケアルーム代表)が取材に応じ、肉体改造によるエースの進化を指摘。気になるコンディション面についても、問題なしとの見解を示した。

 12月で30歳を迎えるが、貪欲にレベルアップを目指す姿勢は今も昔も変わらない。シーズン終盤の春ごろにイタリアで石川のケアに携わった野口氏は、強打に対して体勢を崩しながらレシーブする場面が多かった点が気になったという。

「ボールの力を受け流す目的もあるだろうけど、体勢を崩さずに返せたらケガのリスクも減らせるし、より早く攻撃に参加できるようになるので、重要なポイントだと思った」と改善策を模索。石川とも話し合う中で、股関節周りの筋肉を鍛えていく必要があると考えた。

 イタリア10季目のシーズン終了後には「落ち着いて慣れた環境でトレーニングができる」との理由から、日本には戻らずに約1か月間イタリアに残った。週5回の筋力トレーニングで股関節周りはもちろん、体のあらゆる部分をいじめ抜いた。野口氏は「トレーニングを重ねたことで、体勢を崩さずに強打を返せることを実感できていた。ウエートトレーニングを重ねる、股関節周りの筋肉をしっかりと鍛えていくことの重要性を感じてくれたのでは」と変化を口にした。

 体づくりを経て挑んだVNL第3週千葉大会は、初陣のドイツ戦(16日)でチームトップの22得点をマークするなど、その成果を十二分に発揮。だが、ブラジル戦(18日)は連戦によるコンディション不良でメンバー外となった。それでも石川には〝経験値〟という唯一無二の武器がある。

 野口氏は「例えば肩や腰は痛みが出ると、すぐに注目されてしまうけど、基本的には大きな問題ではなくて、アスリートがプレーを続けていく以上、出てくるような状態の痛み。20代前半から僕たちトレーナーを呼んだり、栄養士をつけて食事管理をしていたので、今の年齢になっても、自分の体と向き合いながら戦えている」と状態は心配なく、全幅の信頼を置いている。

 決勝ラウンドは表彰台を目標に掲げる。厳しい戦いが予想されるも「石川選手のパフォーマンスは非常に充実していて、自らのペースを崩さずにできている」と期待値は高まるばかり。2028年ロサンゼルス五輪に向けて、新チームでも大黒柱の存在感は健在だ。