バレーボール界のスターが考えるSVリーグの課題と改善策は――。バレーボール大同生命SVリーグは2030年までに「世界最高峰リーグ」を目指し、24~25年シーズンから新設された。初年度の男子レギュラーシーズン観客動員数は、前身のVリーグ最終年と比べて約170%増加する一方で課題もある。21年東京五輪、24年パリ五輪代表の西田有志(25=大阪B)が本紙の単独インタビューに応じ、SVリーグの現状について選手目線から熱弁した。

 ――SVリーグの盛り上がりはどう見えた

 西田 盛り上がっていたと思うし、それは多くの方に足を運んでいただいたから。ただ見る人たちが増える中でも、疑問点や不満点も必ずあると思うので、1年目だからオッケーではなくて、2年目はそれらを減らさないといけないフェーズに入ってきたと思います。

 ――それはどんなフェーズなのか

 西田 SVリーグなどの組織の人たちだけで運営をやっていくのは難しい部分があると思う。選手が意見をする場所も必要だと考えていたので、選手会の場を設けてくれるのはありがたいです。意見と不満はまた別なので、まとめながら伝えるようにしています。

 ――選手目線で現在考えていることは

 西田 今は土日での試合がメインだけど、個人的には将来的に、土日だけじゃなくて平日のナイターゲームのようなシチュエーションとかもできれば、エビデンスはないけどケガの確率が下がるかもじゃないですか。ただ、バレーボールは平日にお客さんを集められるような技量があるかと言われたら、まだそういうわけでもない。平日の夜に試合を見に来る人たちの用途は何かを考えないといけないですよね。

 ――例えばどんな用途があるのか

 西田 野球だったら試合中にお客さんがお酒を飲みながら楽しめるのが一つの良さだと思う。バレーボールで同じことができるのかと言われたら、まだ疑問が残る部分はあると思うので、違った良さというところを見つけないといけないと思います。

 ――会場の確保も難しい問題だ

 西田 もちろんアリーナ問題もあって、どのチームもアリーナを持っていれば(会場の調整が難航する課題は)解消されるけど、資金繰りは簡単ではないし、1個ずつ問題点を挙げて、根本的に何を変えないといけないのかを組織としてコミュニケーションを重ねていくことが非常に大切だと思っています。

 ――将来的にSVリーグがどんなリーグになってほしいか

 西田「バレーボールの人気が高まった」ということになっても「数年後も続いているのか?」となった時に「続いてこなかった」のが、今のバレーボール界。人気を続けるためにどうするべきかのアプローチ、研究をする努力はしないといけないと思っています。もちろん日本代表が盛り上がるのもいいことだけど、SVリーグの方でもどう盛り上がりを継続させていくかはまた違った考えも必要になってくると思います。

☆にしだ・ゆうじ 2000年1月30日生まれ。三重県出身。5歳でバレーボールを始め、18年に日本代表に初選出。21年東京五輪では1992年バルセロナ五輪以来の8強入りを果たした。24年パリ五輪は目標だったメダル獲得を逃すも、2大会連続の8強入りに貢献した。24~25年シーズンに新設されたSVリーグでは大阪Bの主軸として活躍。選手目線からより良いリーグづくりを目指している。妻はバレーボール女子元日本代表の古賀紗理那さん。186センチ、89キロ。