37の国と地域から日本発祥の〝リーチ麻雀〟を愛するプレーヤーが集った「アース製薬100周年記念 WRC 世界麻雀TOKYO2025」が7月1~6日に日本橋三井ホールで開催された。国別対抗チーム戦の優勝国はポルトガル・スペインで日本は3位だったが、個人戦は内川幸太郎(日本プロ麻雀連盟)が第4代世界王者に輝いた。大成功を収めた大会を総括リポート――。
2014年にフランス・パリで開催された第1回大会以降、アメリカ・ラスベガス、オーストリア・ウィーンでの開催を経て、東京で初開催された「世界麻雀」。大会初日、複合型映画館「ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場」でパブリックビューイングも行われた国別対抗チーム戦には、全45チームが出場。日本からは8チームが参戦し、麻雀プロリーグ「Mリーグ」チェアマンでもある藤田晋サイバーエージェント代表取締役が代表チームの監督を務め「優勝は最低限のノルマ」とリーチ麻雀発祥の国としての誇りをかけて大会に臨んだ。
だが、決勝に進出した日本代表は1チームのみ。Mリーグで活躍する佐々木寿人、仲林圭、瑞原明奈、本田朋広の4選手で編成された「フル代表Bチーム」が、日本の麻雀ファンの期待を一身に背負ってポルトガル・スペイン、中国、チャイニーズタイペイと戦ったが、銅メダル3位という結果に終わった。
唯一の決勝進出を果たした日本代表4選手は「打つスピードが本当に早く、迷っている選手がほとんどいなかった」「所作も洗練されていた」「手牌構成や状況判断にも最新戦術が取り入れられていた」と海外プレーヤーの印象を語り、リーチ麻雀が確実に世界に広まっていることを実感したようだ。
優勝を決めたスペイン・ポルトガル代表のLinxuan He選手は、ロンドン大学大学院で博士号取得を目指している26歳。「自分は中国四川省の成都市出身なので、一番の趣味である麻雀は体の一部のような存在。この優勝は中国にいるお母さんに伝えたい」と喜びを語った。
藤田監督は悔しさをにじませながらも「希望に満ちあふれていた大会。海外の選手たちが本当に質の高いプレーを見せてくれたことはとても明るいニュース」と麻雀のオリンピック室内競技正式種目化という未来を見据え「日本の誇りにかけてみんな気が引き締まったと思う。頼むよ!」と個人戦での巻き返しに期待した。
256人が一堂に会し、4日間にわたって行われた個人戦に出場した日本選手は、Mリーガーをはじめ、88歳の現役最年長プロの灘麻太郎ら101人。予選10回戦を通過した32人のうち日本選手は21人。首位通過を決めたのは、現女流桜花(日本プロ麻雀連盟女流プロリーグの最高峰タイトル)でもある清水香織を筆頭に、Over60代表チームにも選出された沢崎誠、森山茂和、パリ大会から世界大会に出場している伊藤優孝、ラスベガス大会王者のともたけ雅晴というレジェンドプロ4人も堂々通過。そこからベスト16、ベスト8と勝ち上がって決勝に進出したのは、予選32位とギリギリで通過した内川、メンゼン高打点麻雀を武器とする黒沢咲、ともたけ、韓国代表で医学部の学生でもあるJunseok Yoonの4人という顔ぶれ。
時間無制限で行う2試合の合計で競う決勝1試合目は、内川が6万点オーバーのトップを決め、2試合目も順調にポイントを伸ばしていた矢先、南1局で持ち点6000点まで追い込まれながらも我慢強く打ちまわしていたユンが役満・四暗刻をツモって一気に優勝戦線に復帰。それでも内川は動じることなく逃げ切り「1試合でも多く試合を楽しもうという無欲な気持ちで打てた」と、第4代世界王者となった。
大会事務局長を務めた森山は「二盃口や四暗刻といった高打点が飛び交った決勝は、全員が正々堂々と真っ向勝負していてすごくいい試合だった。中でもユン選手の実力の高さには驚きました。麻雀ってトップを取ることだけが魅力じゃない、老若男女が楽しめる頭脳ゲームだと改めて感じられた大会だった」と振り返った。
次回開催は2028年、アメリカ・ニューヨークで開催されることがWRCリーチ麻雀世界選手権会長のジェマから発表された。この大会によって世界中の麻雀コミュニティーの絆が深まり、さらに広がることで、麻雀のオリンピック室内競技正式種目化も夢ではない。


















