ベテランならではの熟練の技や心理戦で毎回、麻雀ファンをうならせる対局シリーズが今年も始まった。MONDO TVが12日から放送している「モンド麻雀プロリーグ22/23 第17回名人戦」だ。

 16週にわたって10人のプロによる熱戦が繰り広げられるが、19日に登場し、早くもアツい闘牌を見せてくれたのが日本麻雀プロ連盟会長を務める森山茂和プロ。名人戦に出場する上でのこだわりや、開幕早々盛り上がっている「Mリーグ」2022―23シーズンに対する思いを聞いた。

 ――名人戦で意識していることは

 森山茂和プロ(以下森山)一貫して魅力的な麻雀が打ちたいと思ってやっていますよ。どうやったら麻雀の深さや面白さを伝えられるだろうかということは意識してやってきたので、そのあたりをぜひ見ていただきたいですね。

 ――名人戦には継続して出場している

 森山 2007年に始まりましたけど、その年はモンド21杯で優勝していたので、エキシビションという扱いの名人戦には出られなくて。その翌年から出場したら、第2回と書かれていた。今だから言えますけど、何でエキシビションが第1回として扱われたんだとは思いましたね(笑い)。

笑いを交えて語ってくれた
笑いを交えて語ってくれた

 ――「名人」という言葉にも重みがある

 森山 参加する方には、ただ勝てばいいということではなく、名人戦という名にふさわしい麻雀を打ってほしいと思いますね。シリーズの中でも名人戦は違うぞということで、人気があってほしいなと思いますね。

 ――歴戦のプロと戦う上での緊張感

 森山 あまりないですね。よく見てる人たちばかりで、どんな麻雀を打つかは分かりますから。あとは読み合いというか、どうやって自分の狙いを分からせないかというところの楽しみはあります。

 ――対戦する上で苦手な相手は

 森山 強い弱いは関係なく、結局ツイている人が嫌です。けれどそのツイている人が高打点が狙える中で、鳴いて軽くアガってくれるとチャンスだなと思える。だからただアガればいいということではなく、どうやって運を最大限利用して麻雀を打つのかというところまで意識しますね。私の場合はどうやって大きな運を持ってくるかを考えていて、振り込まない、相手に鳴かせないということも含めてゲームを作ります。

 ――相手に流れを渡さないことが大事、と

 森山 私の中で、サーフィンで言えば大きな波を捕まえられる自信はあるんですよ。小さな波に乗らなくても、大きな波に1つ乗ればとにかく大きなトップを取れると思っているので。しっかり負けさえしなければカバーできるとは考えています。

 ――対局中に視聴者のことは考えているのか

 森山 何を切るかという時に考えますね。普通ならこっちの牌を切るけど、私は別の牌を切りたいという時には間を置いています。こちらの考えを見せることで、視聴者も「えっ!」と思ってくれるじゃないですか。プロである以上、見ていただく方に楽しんでもらうための余裕は持ちたいなと思っています。

 ――所作などについて意識していることは

 森山 牌さばきは重要だと思っていて、この1年はビシッと切っています。ある時20年前くらいの映像を見たら、自分が格好良く牌を切っていて。それを見て元に戻そうと思いましたね。最近は牌さばきも良くなって、のびのびと打っているような気がします。

 ――近年は麻雀業界の熱が高まり続けている

 森山 今の麻雀界はハッキリ言って「バブル」ですね。いつかははじけますから、連盟の会長である私としては地に足のついた活動を続けながら、選手の雀力を育てることを一番に考えています。雀力がしっかりしていれば仕事は自然に来ますし、その後も続きますから。

 ――Mリーグに今季から参戦した新チーム「BEAST Japanext」は連盟プロ4人の指名となったが

 森山 最終選考でも菅原(千瑛プロ)が勝ちましたし、ありがたいことに全員が連盟所属ということになりまして、ぜひお手伝いができればと思っています。中田花奈(プロ)もまだまだ新人ではありますけどこれから成長していくでしょう。鈴木(大介プロ)さんと猿川(真寿プロ)も実力ある2人ですから、大いに期待しています。

左から鈴木大介、中田花奈、猿川真寿、菅原千瑛
左から鈴木大介、中田花奈、猿川真寿、菅原千瑛

 ――飛躍を目指す若手プロに伝えたいことは

 森山 とにかく麻雀をたくさんやってほしいですね。メジャーリーグで活躍する大谷翔平選手もすごいストイックですし、結局大事なのは練習量。今は教材も勉強するチャンスも多いですから、素直な気持ちでいい部分を取り入れてほしいですね。

 ◆もりやま・しげかず 1951年11月6日生まれ。日本プロ麻雀連盟会長。最強位、王位のタイトルを獲得しているほか、モンド麻雀プロリーグでは第6回MONDO21杯で優勝している。