ソフトバンクは8日のオリックス戦(京セラ)に9―1で快勝し、貯金を今季最多の「13」に伸ばした。

 ゲーム差なしで迎えた上位対決を制し、2位に浮上させた立役者は近藤健介外野手(31)だった。交流戦中に負傷した左かかと痛のため、リーグ戦再開後もベンチスタートが続いていたが、15試合ぶりに「4番・DH」でスタメン出場。3回に決勝の3号満塁弾、8回にダメ押しの適時打を放つなど5打点の活躍で千両役者ぶりを発揮した。

 先発復帰初戦で通算100号のメモリアル弾。7カード連続勝ち越しを目指す大事な初戦で、チームを勢いづけるグランドスラムだった。「通過点だが、印象に残るいい一本になった」。最初が肝心とばかりに存在感を見せつけた。

 ケガとはいえ、近藤には最前線で戦えない葛藤があった。「一番やっちゃいけないのは再発。我慢するところは我慢して」と自らに言い聞かせてきた。すべては「9月、10月の一番大事な時にチームに貢献するため」との思いからだった。

 開幕直後に腰を手術して2か月離脱。開幕カード2戦目に猛打賞を決めた直後に「力の入らない打撃で今は打てたとしても、シーズン終盤まで持つか分からないし、勝利に貢献し続けるのは難しい」と自ら手術を決断した。最短復帰が実現可能な名医の執刀スケジュールを自分で調べるなど、チームへの影響を最小限にとどめようと裏で奔走していた。

 盟友・大谷(ドジャース)と考えを共有する中で、近藤は「チームを勝たせ、自分の価値も上がる」と意識を変え、長打を求めてきた。序盤の満塁弾で主導権を握ったこの日の試合は、まさに自らの存在価値を証明したかのようだった。

 チームは5月1日に借金7まで低迷したが、翌2日から35勝15敗1分けと白星を量産。勢いが加速する中で近藤が戻ってきた。投手陣も盤石で、主力の離脱で出番が巡ってきた若手も成長を遂げる鷹に強い追い風が吹いている。