巨人が4日の広島戦(東京ドーム)で1―0と勝利し、連敗を3でストップ。先発・山崎が8回無失点で8勝目を挙げ、8回に飛び出した代打キャベッジの8号ソロで試合を決めた。5割復帰で3位に浮上したとはいえ、首位の猛虎とは6・5差。前カードの阪神戦(甲子園)では屈辱の3連敗を喫し、阿部監督が退場処分を受けるなど重苦しいムードは完全払拭できていない。本紙専属評論家・伊原春樹氏はそんなチームの現状についてだけでなく、球界の〝深層〟にも斬り込んだ。

【新鬼の手帳・伊原春樹】いない人のことを言ってもしょうがないが、やっぱり岡本の抜けた穴というのは相当大きいと実感する。新しく4番に座った増田陸は本当によく頑張ってくれていると思うが、やはり前も言ったように一発のあるキャベッジが4番に座っている方が相手チームは嫌だとは思う。忘れたころに一発が出てくるだけでも、かなり怖い存在になる。

 現状の巨人打線は阪神などの上位チームと比べ、連打が出ない点が決定的な差だ。今日の試合にしても0―0の5回に先頭の6番・中山が安打で出塁したものの、続く甲斐は森下と勝負した結果、右飛に終わった。連打が出ない以上、まずはがむしゃらに得点圏まで走者を進めるしかない。あの場面で甲斐には犠打を打たせるべきだった。

 阿部監督は、その後に投手である山崎に打席が回ることも考えたのだろう。ただマウンド上の投手からすれば、得点圏に走者がいるだけで嫌なもの。結果論ではあるけど、打撃が得意な山崎はこの回に2本目の安打を打っていたわけだし、そこから先制点につながっていたかもしれない。

 とはいえ、試行錯誤するしかない阿部監督の心中は察するし、同情する点も多々ある。中でも特に、リプレー検証の結果に抗議して退場となった2日の阪神戦はただただ、かわいそうで仕方ない。クロスプレーでのタッチの有無の判定というのは一番難しいところ。検証に時間がかかっていたし、それはつまり「実際はどうだったのか分からなかった」と言うことになる。判定にもめるのであればスッキリと最初のアウトの判定のまま行くべきだったし、覆すべきではなかったと個人的には思う。

 同じ日のソフトバンク―日本ハム戦(みずほペイペイ)でも同様のケースがあって新庄監督が不満を明かしていたけど、そりゃあ納得はいかないでしょう。退場にはなってしまったが、阿部監督の抗議はチームにとっても正しい選択だったと考えている。2年前(2023年8月18日・DeNA対阪神戦=横浜)、同じようなケースで阪神の岡田前監督が審判に抗議した際には退場にならなかったわけだし、そこの基準や線引きは何なのか。疑問は拭えない。

 リプレー検証そのものは確かにいい制度だ。でもできることならば、タッチプレーに関する映像についてはもっと多角的な視点から検証できるような環境をつくらないとダメだ。それだけ判定が難しいものだし、現状のままであるならば、やはり判定は覆すべきではないと重ね重ね思うよ。(本紙専属評論家)