〝戦国時代〟に突入か――。卓球の世界選手権個人戦最終日(25日、カタール・ドーハ)、男子ダブルス決勝で戸上隼輔(23=井村屋グループ)、篠塚大登(21=愛知工大)組が、林イン儒、高承叡組(台湾)に3―2で勝利。同種目の日本勢では1961年の星野展弥、木村興治組以来、64年ぶりの金メダルとなった。同種目では50年ぶりに中国勢がメダルを逃すなど、男子卓球界の中国1強時代は崩れつつある。卓球界随一のプロレスファンでもある戸上が日本勢のけん引役になる。
頂上決戦で相まみえたのは、世界ランキング11位と伏兵の台湾コンビ。だが中国勢を2組撃破し、準決勝では同1位のルブラン兄弟組(フランス)も下して勢いに乗る難敵だ。
同5位の戸上、篠塚組は、2―2の大激戦で迎えた最終第5ゲームで躍動。積極的に攻撃を仕掛けて徐々に追い詰めると、最後は相手のレシーブがオーバーで歓喜の瞬間に。2人は熱い抱擁で喜びを爆発させた。
戸上といえば大のプロレス好きだ。この日も最終的には篠塚との連係が取れておらず断念したが、優勝の瞬間はプロレス関連のパフォーマンスを披露しようと計画していたという。その戸上は「64年ぶりの世界一、本当にうれしい。みんなに支えられてここまで来られた」と声を弾ませ、篠塚も「2人で金メダルを取ろうと宣言したが、本当に取れるとは…。信じられない気持ち」と声を震わせた。
卓球界は中国が絶対王者として君臨してきた一方で、近年は日本などのライバル勢も台頭中。ある卓球関係者は「特に男子においては、今までの中国の層の厚さがなくなってきたように感じる。もちろん強い選手も出てきてはいるけど、中国のレベルが下がってきたのもあって、全体的にいい勝負になってきた」と分析する。実際に男子ダブルスの4強はフランス勢が2組、日本勢と台湾勢が1組、男子シングルスの4強は中国勢が2選手、ブラジル勢が1選手、スウェーデン勢が1選手と勢力図が分散している。
2028年ロサンゼルス五輪では、04年アテネ五輪以来となるダブルス種目の復活が決定。今大会の頂点取りは、3年後に向けても大きな弾みとなる。かねて戸上は本紙に「卓球とプロレスって交わらないかもしれないが、僕も一ファンとして影響を与えてもらっている。その恩返しとして『プロレスを広めたい』という思いがある」と熱い思いを語っていた。
プロレス愛あふれる戸上が、両競技の架け橋となるか。












