これもチームが成長したからこその〝悩ましい問題〟か。日本ハムの若手先発投手が、このところ「投げたくても投げられない事態」に直面し始めている。
チームは開幕当初、昨季リーグ最多勝に輝いた伊藤を筆頭に加藤貴、山崎、金村、北山、助っ人・バーヘイゲンの6人で先発ローテーションを形成。ここに台湾の豪腕・古林(グーリン)を交えた先発陣でシーズンを乗り切る構想を描いていた。だが、主力投手の大半が開幕から1か月を過ぎても好調な上、故障者もいない。さらにシーズン序盤は6連戦が少ない「ゆとり日程」が組まれたこともあり、飛躍が期待される若手投手になかなか出番が回らないのだ。
顕著な例は今季プロ4年目を迎えた達、同2年目の細野だろう。
達は今春キャンプから「日本ハムの将来を担う投手」としてチーム周辺から大きな期待を寄せられていた。しかしながら先発投手陣の「空き」が出なかったこともあり、初戦は今月4日の西武戦(エスコン)にまでずれ込んだ。
細野も同様で今季ここまでファーム7試合で1完投を含む2勝1敗、防御率2・10の好成績を残しながら一軍での登板機会はなかった。今月13日からの対オリックス3連戦(エスコン)でようやく先発機会を与えられる予定だが、本来ならもう少し早く一軍マウンドに上がっていても不思議ではない。本人ももどかしかったはずだ。
こうした若手有望株を積極的に起用できない日本ハムの複雑な先発投手事情には深謀遠慮も見え隠れする。チームの指揮を執る新庄剛志監督(53)にとっては「想定内のシナリオ」と言われているからだ。
ある球団OBがその裏側をこう推察する。
「今年の日本ハムは先発陣が充実しているので、各投手を休ませながらローテーションを回していく余裕がある。4月中に加藤貴や山崎、金村ら主力投手を相次いで登録抹消して〝強制休養〟させたぐらいですからね。有望株と言われる若手の先発投手が登板機会に恵まれないのも当然でしょう」
その上で「ただ、新庄監督はそんな状況下でも機を見計らって若手に積極的に登板機会を与えていくはず」と言い切り、続けて「監督はシーズン終盤がリーグ優勝に向けての勝負どころと見ていますから。その時期に若手が躍動できるよう今から逆算しているのかもしれません」とも補足した。
9日の楽天戦(エスコン)では中11日空けてマウンドに上がった金村が9回7安打1失点(9奪三振)の完投勝利で今季3勝目を飾った。現時点でチーム防御率も2・41でリーグトップをひた走る。
このまま主力投手の好投が続けば、飛躍を待つ若手の先発機会は少なくなる可能性もあるが…。策士・新庄監督のこと。全ては長いシーズンを見据えた策なのかもしれない。












