阪神は7日の巨人戦(東京ドーム)に4―6で敗れ、連勝は2でストップ。巨人と同率首位に並ばれ、東京ドーム決戦で今季初めて土をつけられた。

 先発の門別啓人投手が4回途中を6安打2四球6失点でKO降板。高い将来性を嘱望され、開幕ローテの座も勝ち取った若武者だが1か月以上、白星から見放されこの日も敗戦投手となった。1勝2敗、防御率4・73と不本意な数字が並ぶ。

 対峙したのは不動の4番・岡本を負傷離脱で欠いた巨人打線。だが、たとえ飛車角落ちであろうと永遠の宿敵である名門球団にはまだ、あの男がいた。
 
 2―2の同点で迎えた4回。簡単に2つのアウトを取った門別だったが、次打者・ヘルナンデスに左前打を許すとバッターボックスに迎えたのはこの日、二軍から緊急昇格してきたばかりの坂本。試合前時点で打率1割2分9厘と深刻な打撃不振に陥っていた36歳だが、白刃の下で鍛え上げられてきた百戦錬磨の精神力は、マウンド上の20歳をはるかに凌駕していた。
 
 2ストライクまで追い込んだ門別だが、そこから勝負球の直球を立て続けにボールと判定され、気が付けばフルカウント。7球目に投じたスライダーも内角低めを丁寧に突く決して悪い球ではなかった。それでもGの背番号6は、体勢を崩しながらこの球を器用にインパクト。左前に落ちた白球がそのまま左翼線を割ると、一走・ヘルナンデスも長躯ホームインを果たした。
 
 千両役者の一撃で勝ち越しの1点が入ると、これまでフラストレーションばかりをためこんできたG党たちも一気に沸騰。押せ押せの雰囲気にのみ込まれた左腕は続く山崎、泉口らにも連打を浴び、この回だけで4失点。三塁側ベンチから出てきた指揮官に交代を告げられた。「二死からランナーを出してしまい勢いを止めることができず、相手に流れを与えてしまった」。沈痛な試合後のコメントからは後悔の念ばかりがにじみ出る。

 門別のポテンシャルを高く評価してきた藤川監督も「初回に本塁打を打たれて、その後もボールとかで逃げていたので、若いなというところは感じますね」とこの日ばかりは手厳しく評価。次戦の登板については「また考えます」と言葉を濁し、先発ローテの座を剥奪する可能性も示唆した。