【球界こぼれ話】「メジャーでは当たり前のように休むので日本の野球界でも浸透すればいいのですが…」
先週、現場にいる球界関係者から相次いでこんな声が上がった。ドジャース・大谷翔平が妻・真美子さんの出産に伴い「産休」を取ったからだ。
MLBには「Paternity list(父親リスト)」と呼ばれる最長3日間の産休制度がある。冒頭の声のように米国では10年以上前から選手が当然の権利として取得している。日本選手も例外ではなく、出産直前の妻がいることが分かれば首脳陣や球団側から「奥さんに付き添うべき」と半ば強制的に戦線離脱させられることもあるほど。大谷もこの慣例に従い、制度を活用したのだろう。
そんな出産や家族イベントに優しい米球界とは対照的に、日本球界では産休に対する意識は低い。
外国人選手が妻の出産のために一時帰国するケースはあるものの、日本選手がシーズン中に産休を取得したという話はほぼ聞いたことがない。今月23日にロッテ・石川柊太投手(33)が、今回の一件を機に妻の出産のため登録抹消されたのが第1号ではないだろうか。一般社会では徐々に浸透しつつある男性の産休。なぜ日本球界では広まらないのか。
ある既婚選手に聞いてみると「やはり自分からは言いづらいですよ」と球界独特の環境を指摘しながらこう嘆く。
「個人的に言えば(産休を)取りたいですし妻も希望するはず。でもシーズン中だと産休とはいえ、数試合欠場している間に他選手に自分のポジションを奪われる可能性だってありますからね。そうした不安を考えると積極的に取れるかどうか。球団側から強制的に『取れ』と義務化されれば喜んで休みますが…」
さらに別の選手からはこんな声もあった。
「産休を取った際に査定で不利益をこうむらないよう配慮してほしいです。野球選手は数日休むだけで調子を急激に落とすこともある。だからせめて産休明け後の2、3試合は結果が出なくても査定に影響しないとか。選手間でもこの話題は最近頻繁に出るようになりましたが、そういう配慮がない限り産休取得は難しいと思います」
こうした選手の声を反映してか、今月に入り選手会がNPBと各球団に対し産休を含む「慶弔特例制度」の導入を改めて要望していくことを明かした。選手側の気持ちをくんだ産休制度。確立は進むのか。
出産の立ち会いは男女を問わず人生で何度も経験できるわけではない。大谷の産休をきっかけに、日本球界でも気軽に取得できる機運が高まることを期待したい。












