【球界こぼれ話】プロ野球選手は結果が全てとはいえ、性格や人柄を加味すると成績度外視で応援したくなる選手がいる。球界でその一人を挙げるなら、真っ先に思いつくのは日本ハム・今川優馬外野手(28)だ。
プロ5年目の道産子戦士は今季開幕一軍スタートも、6試合の出場で打率1割5分4厘と結果を残せず。9日に出場選手登録を抹消された。昨季はわずか6試合(4安打)の出場に終わり、開幕前には「今年こそはシーズンを通して一軍で活躍したい」と意気込んでいた。その矢先の二軍落ち。本人の悔しさは相当なものに違いない。
そんな苦悩のシーズンを送る今川だが、結果を問わず応援したくなる理由は彼が持つ人間性にある。
日ごろから「執念」という言葉を連呼するように、今川はとにかく真面目で野球に取り組む姿勢や向上心が半端ではない。加えて周囲やファンへの気遣いも人一倍あるため、春季キャンプなどでは連日、練習後の遅い時間まで写真撮影、サインに応じた。「どんな時でも応援してくださるファンの方々には感謝しかないので」という今川。限られた出場機会にもかかわらず常に大歓声が送られるのも納得ができる。
男5人、女1人という6人きょうだいの長男は両親への感謝も忘れない。
本人によれば「小さい頃から家計はいつもギリギリだった」そうだが、両親は好きな野球を続けられるよう私立高の学費などを必死に工面してくれたという。そんな両親への感謝の気持ちもあり、親孝行は欠かさない。プロ入りから5年がたった今も、実家への仕送りを続けている。
「これまで両親に払ってもらったお金のことを考えれば当然のことだと思います。僕だけではなく社会人になったきょうだいもみんなそうしていますし。それに僕自身は野球以外に物欲はない。自分の物欲を満たすより両親や家族、ファンの方々が幸せになってくれた方がうれしいので。そのためにも僕が結果を残さないといけない。やるしかないです」
日本ハム外野陣のレギュラー争いはここ数年、激化の一途をたどる。特に今川の主戦場である中堅、左翼は松本剛や五十幡、矢沢、水谷らに加え現役ドラフトで新加入した吉田、開幕から4番で躍動する野村などライバルがひしめき合う。今後も出場機会を得ることは容易ではないが、今川の人間性や優しさを知るファン、関係者は一軍での奮起を心待ちにしている。
新庄監督は必ずチャンスをくれる。その機会を生かせるかどうかは本人次第。活躍を期待する周囲のためにも自らの執念で活路を見いだしてもらいたい。












