ドジャース・佐々木朗希投手(23)が12日(日本時間13日)に本拠地ロサンゼルスで行われたカブス戦に先発し、5回4安打1失点でMLB移籍後初黒星を喫した。4度目の登板で最長イニング、最多の81球を投じた一方、自身はまだまだ発展途上。「喜怒哀楽」が不可欠といわれるメジャーのマウンドで〝鉄仮面〟と化し、今後に向けた影響が注目されている。

 ヒヤヒヤの最少失点だった。四球を連発して自滅した過去の登板に比べれば直球の制球は向上。ただ、得意のスプリットを思うように操れず、2回には相手の4番・ブッシュに直球を狙い打ちされ、メジャーで初めて本塁打を浴びた。

 試合後、佐々木は「段階的にはいい方向に来ていると思うし、ここが最低限になるように頑張らないといけない」と手応えを口にした一方、「本当に助かりました。あのプレーがなかったらもっと大量失点だった」と何度も味方の守備に救われた。

 最大のビッグプレーは3回二死満塁の場面だ。この日最初の対戦で一発を食らったブッシュが振り抜いた一撃は中越えへの大飛球。フェンスを越えればグランドスラム、越えなくても走者一掃で3失点を覚悟しなければならない当たりだった。これを中堅手のパヘスがフェンス際でジャンピングキャッチ。3アウトで攻守交代となり、無失点となった。

好守のパヘス(右)を迎える佐々木朗希
好守のパヘス(右)を迎える佐々木朗希

 パヘスは初回にも中堅へのライナーをスライディングキャッチ。さらに、4回には右翼手のT・ヘルナンデスが抜ければ長打となる打球をランニングキャッチした。佐々木が1失点で救援陣にバトンを渡せたのは、バックの守りがあってこそだった。

 ただ、その後の怪物右腕の行動には改善の余地があるという。球界関係者の一人は「味方があれだけのピンチを救ってくれても、朗希の表情はほとんど変わらなかった。グラブを軽く叩いていたけど、メジャーではもっと大きなジェスチャーでプレーをたたえた方がいい」と打ち明けた。

 限度はあるものの、MLBでは感情表現が豊かな方が有利とされる。特に投手と野手は同じチームであっても練習内容が異なり、別行動となるケースが多い。だからこそ感謝を伝えるジェスチャーはより重要なツールで、チームを鼓舞し一体感を生むことにつながる。ましてや移籍1年目で外国人選手扱いの佐々木にとっては、さらに重みを増すという。

 レッドソックスなどで活躍した上原浩治氏(50)もイニング終了時、満面の笑みで守ってくれたナインをベンチ前でハイタッチで出迎えた。当時は「High Five」と呼ばれ、巨人に再入団した後も継続し、結束を強めてきた。

 佐々木も走者を出したイニングはベンチ前でナインを出迎えたが、表情は硬いまま。パヘスにもやはりグラブを使った軽い〝拍手〟で、尻をポンと触っただけだった。

 前出関係者は「マウンドで余裕がないのか、米メディアに叩かれまくったせいなのか…」と推察。右腕はこの日がまだ4試合目でやむを得ないともいえる。また、米国デビュー戦となった3月29日(同30日)は2回途中でKOされ、ベンチで涙目となったことで「子供」「プロ失格」など猛バッシングを浴びた。

 登板日以外はベンチでも明るい表情も見せる怪物右腕だが…。仲間に認められるローテの柱になるには、もう少し時間がかかるかもしれない。