左腕エース・床田寛樹(30)が連勝の波に乗った。12日、広島は巨人を1―0で退け3連勝、今季初の単独首位に浮上した。

 今季3度目の先発マウンドで床田がG打線相手に躍動。初回の立ちあがり、一死一、二塁のピンチを踏ん張ると、2回以降は、昨オフからこだわり続けてきた直球の威力が、回を追うごとに増していった。

 打線はGの先発・赤星から3回に矢野のスクイズで1点を先制。以降は両軍、スコアレスで進んだ投手戦で、鯉の左腕は自らの〝進化〟を中盤以降に披露した。

 6回二死一塁から5番・キャベッジへは「一番良かった」と自らも自画自賛した149キロ外角直球で見逃し三振に。7回には二死一、三塁のピンチで、代打・大城に対しても「力勝負」を選択。この日最速となる151キロを投じ、2球目までに追い込むと「スピードもそれなりに出ていたので、押し切ろうと。(球速も)出そうな雰囲気はあった」と、3球目の149キロ外角直球で空を切らせ、山場を乗り切った。

 8回を終え108球、球数が3ケタを超えた最終回も首脳陣から「行くぞ」と背中を押された左腕は、最後は二死一、二塁で迎えた中山の三遊間へのライナーを遊撃・矢野がダイビングで捕球する美技のサポートも受け123球、散発8安打7奪三振で23年8月17日以来の完封勝利をやってのけた。

 左腕エースの会心の投球で、単独首位にも浮上した新井貴浩監督(48)も「床田サマサマです」と最敬礼。

 もともと直球は140キロ台中盤近くの球速で投げる。さらに110キロ台のカーブやパーム、120キロ台のチェンジアップやスライダー、130キロ台のツーシームやカットボールなど、豊富な変化球を操る器用さもある。

 これまでは、打者のタイミングを外して〝かわして〟三振を奪うことが多かったが、この日は「パワーピッチャー」としての姿を貫いた。「(捕手の)石原も『真っすぐがいい』と言ってくれたので。自信を持って投げられた」と〝新境地〟で、待望の今季初勝利を引き寄せた。