女子プロレス「スターダム」のワールド王座を保持する〝闇に落ちた不死鳥〟上谷沙弥(28)が、珍しく弱音を吐露した。27日の横浜アリーナ大会で、中野たむを敗者引退マッチで迎え撃つ。運命の決戦が刻一刻と迫る中、上谷は8日の公開調印式で涙を流しながら中野への思いを語る場面もあった。会見後に取材に応じた上谷が明かした涙の真相とは…。
この日、真っ黒のドレスに身を包んだ上谷は「最初は(中野を)大好きだったはずなのに、今ではあの泣き顔すら心底憎い。でも、一つだけ感謝してることがある。それはプロレスに出合わせてくれたこと。中野たむがいなかったら私はプロレスラーにならなかった」と涙を流した。
そして、感謝の気持ちを込めた黒いバラの花束を渡し「もう楽になれるから。中野たむ、引退おめでとう」と呼びかけたが、渡した花束で殴りつけられ顔面を蹴り飛ばされる屈辱を味わわされた。
会見後、取材に応じた上谷は涙の真相について「あれは目にゴミが入っただけだよ」とぶっきらぼうに語りつつ、黒いバラの意味について「憎しみとか呪いとか、お前のものは全部私のものとか…花言葉がいろいろあるんだよ。それくらい自分で調べろ」と明かした。
いつものように口の悪い上谷だが、この日はどこか違っていた。デビュー当時を回顧し始め「最初は殴るのも怖かったし『この野郎!』って汚い言葉を使うのも嫌だった。痛いのも嫌いだから殴られるのも怖かったんだよ…」と笑い「負けるつもりは一切ないけど、もし自分が引退したらって想像することがあって。デビューしてから6年間プロレスのことしか考えてこなかったから、もしプロレスが自分からなくなったら、自分は何をすればいいんだろうとは毎日考えるかな…」と遠くを見つめた。
さらに「自分の憎しみの感情から発展していって、敗者引退マッチが決まったけど、なんでこんなふうになっちゃったんだろうって、ふと考えることはある」と口にした。
だが、この日の会見では中野と「後日改めての引退試合なし、引退ロードなし。セレモニーもなし。負けたら即引退」と約束しただけにもう後には引けない。
「もちろん自分が吐いた言葉は絶対貫く。決めたことは絶対に曲げないし、どっちに転がったとしても後悔はしない。だから、横浜アリーナでは今までやってきた一つの集大成として、自分の全てをかけてアイツを倒す」
会見前日には「しゃべくり007」(日テレ系)にも出演し、話題を集めたからこそ、プロレスラー人生を終えるわけにはいかない。「地上波に出てプロレスを見たことのない人に広げるって言ったことも今、実現してきてる。ここからプロレスをメジャーなものにしていくために、まだ私は引退できない」と自身に言い聞かせるように語った。
運命の決戦まであとわずか。闇に落ちた不死鳥が全身全霊をささげ、大一番に臨む。












