【取材の裏側 現場ノート】3月、携帯電話に着信があり、画面を見て驚いた。「神取忍」とある。最後にお会いしてから15年は経過している。「お久しぶりです! お元気ですか!?」とびっくりして聞くと「本当に、久しぶりだよね~」と昔と変わらぬハリのある声が返ってきた。なんでも同僚記者から私の近況を聞いたそうで、電話をかけてきてくれた。そして、せっかくだからと後日、わざわざ弊社にも足を運んでくれると言うからまた、驚いた。

 2003年、米ニューヨークのマジソンスクエア・ガーデン(MS・G)で行われたレスリングの世界選手権で取材した時の言葉を覚えている。親交のある浜口京子の浅草応援団の一員として、泣く子も黙るトップ・プロレスラーが海を越えてきた。「世界のトップを目指す者にプロアマの垣根はないから。京子ちゃんを応援したくて。それに格闘技の聖地MS・Gだから、見てみたいよね」と。プロレス界にとどまらない活躍を遂げてきた理由は、このフットワークの軽さと行動力にあると思う。

 久々にお会いすると、あのころと変わらずエネルギーに満ちていた。偶然、エレベーターで居合わせた「Voicy 東スポCH!」のパーソナリティー・楓あんさんも「神取さん、かっこよかったですね~。オーラがすごくて」とすっかりファンになっていたほどだった。

 還暦を迎えても歩みを止めない〝ミスター女子プロレス〟は今後について「自分もいろんなこと乗り越えてきた。みなさんに伝えたいのは『恐れずに一歩踏み出して』ということ。挑戦する気持ちを持っていかないと、人生変わらないからさ」と挑戦の大切さを伝えることにも意欲を見せていた。

 どうしたらいつも生き生きと前を向いていけるのか。人生の大先輩の半生を、改めてじっくりと聞いてみたい。(運動部・中村亜希子)