再考の末に「5番」に入るのは――。リーグ連覇を目指すソフトバンク・小久保裕紀監督(53)の開幕オーダー撤回に注目が集まっている。

 当初、鷹の5番は栗原陵矢内野手(28)一択だった。2025年型オーダーについて指揮官が「機能するかは栗原がポイント」と言及するほど、昨季の近藤に代わる新5番に命運を託していた。だが、その栗原が11日の巨人戦(長崎)で右脇腹を負傷して離脱。12日の同戦からは正木智也外野手(25)を代役に指名し、そのまま開幕戦も右の大砲候補に託す方針だった。

 だが、最後のオープン戦が行われた23日の広島戦(マツダ)後、指揮官は「この打順というのは撤回します。もう一回考えます」と表明。オープン戦打率1割9分2厘と振るわなかった正木の5番起用構想を白紙に戻した。

 とはいえ、白紙撤回が正木の開幕5番をすぐさま〝剥奪〟するわけではない。小久保監督は「結果的にこの形(5番・正木)でスタートするかもしれない」とも付け加えた上で「これでスタートというのが見つからなかったオープン戦」と補足。その発言からは、悩むことなく正木を代役指名したかった思いが透けて見えた。

 今季は連覇だけが大業ではない。近未来の主力をつくり、人を残すシーズンでもある。指揮官は開幕5番にベテラン・中村晃を置くことが〝最適解〟と認めながらも否定。その上で「将来的に長く、強いチームをつくる環境を整えるのは僕しかいない」と言い切った。

 今を勝つことも大事だが、長く勝ち続けるための我慢起用。球団内には、小久保監督の深謀遠慮に考えを巡らせる声は少なくない。

「監督が白紙を強調した以上、選択肢はたくさんある。でも再考の末に正木に落ち着くというのは大いにある。それは同時に、監督に我慢を強いらせるだけの姿が若手には求められているということ」(古株のチーム関係者)

 鷹将の強烈なメッセージは、果たしてどんな未来を切り開くか。