帝国は崩壊の道を歩んでいるのか。ヤンキースの絶対エースであるゲリット・コール投手(34)が右肘の異変を訴えてMRI検査を受けることになったが、その波紋は広がる一方だ。球団GMのブライアン・キャッシュマン氏(57)も「最悪の事態に備えている」と発言しており、チーム内でも当然のように深刻な問題として受け止められている。

 米メディア「CBSスポーツ」によると、スプリングトレーニング中に右肘の違和感を訴えたコールはMRI検査のみでは納得できず、セカンドオピニオンも求めているとのこと。現時点で手術の必要性については明らかになっていないが、トミー・ジョン手術の可能性が高いと報じている米メディアもあり、長期離脱に追い込まれる可能性は極めて高い。SNS上ではヤンキースファンを中心に「コールがいなくなったら今季終了では」「開幕前にこれはキツすぎる」などと悲鳴が上がっている。

 コールは2019年オフにヤンキースと9年総額3億2400万ドル(約480億円)の超大型契約を結び、23年にはサイ・ヤング賞に輝くなどチームの絶対的エースとして君臨。昨春に右肘を故障しながらも昨年6月から復帰を果たし、チームのワールドシリーズ進出へ貢献していた。今季は完全復活へ向けて順調にステップを踏んでいたところだったが、再びアクシデントに見舞われてしまった格好だ。

 米メディアの間ではコールの長期離脱を見越し、ヤンキース側が代役探しに動き出すと報じ始めている。米大手誌「ニューズウィーク」(電子版)は、カージナルスの先発右腕エリック・フェッド投手(32)が適任とし「その候補に浮上している」とも論じている。

 フェッドはホワイトソックスから昨季途中、カージナルスへ移籍。昨季は通算9勝9敗、防御率3・32の成績を残しており、応急処置としてならばローテーションの中核に据えられる可能性がある。

「フェッドはエースではないかもしれないが、中5日でマウンドに上がり、ほぼ毎回質の高いパフォーマンスをみせる。26年にFAになる前の25年の年俸はわずか750万(約11億円)ドルだ。キャッシュマンがトレード市場を探すなら、確かにフェッドはヤンキースの求める〝緊急の穴埋め〟にはなり得る可能性はあるだろう」と前出の「ニューズウィーク」誌は分析している。

 エースを欠いたままシーズン開幕を迎えるのか。それとも緊急補強で先発陣を立て直すのか。苦境に立たされた「帝国」ヤンキースの動きがMLBで今、最大のホットトピックスとなっている。