【取材の裏側 現場ノート】「JAPAN」のユニホームを身にまとった息子の雄姿を母・ゆみさんも誇らしげに見守ったことだろう。5日に行われた侍ジャパンの強化試合(京セラ)で、広島・塹江敦哉投手(28)が日本代表デビューを果たした。
オランダ代表を相手に4回から2番手で登板して1回無失点。昨季は自己最多の53試合に登板し、防御率1・58と左の中継ぎとして才能を開花させ、侍指揮官の井端監督の目にも留まった。本人もいつかはトップチームに…という志を常に持っていただけに、今回の選出には喜びもひとしおだ。
それは、この日の試合を観戦した塹江の母親も同じだろう。昨季の名古屋での試合前。塹江本人と名前の由来が話題になり「敦哉」についての秘話を教えてくれた。いわく「敦」も「哉」も、ゆみさんの好みが大いに反映されたという。
「僕が野球をやる前から母は野球が好きで、ヤクルトの古田敦也さんのファンだった」。「敦」はヤクルトの名捕手だった古田敦也氏から取ったもので「哉」については「(国民的人気グループだった)SMAPのファンでもあって。木村拓哉さんの…」だそうだ。
記者は思わず「すごいな。本当にプロになって。親の期待に応えた!」と返したが、本人は「いや~。プロ野球選手にはなれたんですけど、キムタクさんのようにカッコいいキャラにはなれなかった(笑い)」とあえて〝自虐ネタ〟で笑いを誘ってきた。これで由来についての会話は終わったが、実際には立派なことだと思う。
狭き門のプロ野球界に入ることもそうだが、成功することはさらに難しい。最高峰の侍ジャパンはそんな超一流選手が集う場所でもある。古田氏も1988年のソウル五輪で銀メダル獲得に貢献するなど、日本代表としても輝かしい実績を持つ。プロ11年目でたどり着いた日の丸に満足することなく、今後はぜひ「定着」を目指してもらいたい。
(広島担当・赤坂高志)













