ベテランが新天地で存在感を発揮しつつある。沖縄春季キャンプに参加中の巨人・田中将大投手(36)が17日のシート打撃に登板。打者8人を安打性1、三振1に抑える好投を見せた。電撃移籍から約2か月となり、後輩選手とも和やかに談笑する姿も目立つ。その裏にはプロ19年目右腕がナインの心をグッとつかんだ〝漢気(おとこぎ)プレー〟があった。

 夢の対決が実現した。田中将はこの日のシート打撃で、少年野球時代にバッテリーを組んでいた盟友・坂本とも対戦した。1打席目は遊ゴロに打ち取ると、2打席目は四球。練習後に右腕は「このステップを踏めたことは良かったです。(坂本との対戦も)ファンの方々に楽しんでいただけたなら良かったです」と振り返った。

 昨年末に巨人入り。間もなく2か月になろうとしているが、すでに新たなチームメートたちとは打ち解け合っている。練習前の声出しではひと回り以上年の離れた後輩・大勢から「今日も頑張っていきましょう。マー君、神の子、不思議な子! さぁ行こう!」とイジられるなど、若い選手との「壁」も早々と取っ払われているようだ。

 球界屈指の実績を誇るベテランに対し、入団当初はヤングGたちも「恐れ多すぎて、どう話しかけていいか…」と恐縮気味だったものの、その距離は田中将が見せた大胆な振る舞いによって一気に縮まった。

 それは13日まで行われていた宮崎キャンプ中での出来事。休前日となった4日の夜、田中将ら新戦力の歓迎会も兼ねた「投手会」が開催された。地元の料理や酒を楽しみながら場の雰囲気も徐々に和んできたところで、ベテラン右腕が一肌脱ぐ腹を固めた。

「後輩たちに『将大さん全然飲んでなくな~い?』と軽くあおられた将大さんが『よろしくお願いしまーす!』と、その場で韓国焼酎を一瞬で飲み干したんです(笑い)。若手投手たちも『あれだけベテランなのに、体を張ってくれてるんだ…』と驚きながらも、宴席ならではの無礼講もあって壁は一気になくなりましたね」(チーム関係者)

 入団当初こそ田中将と周囲が、お互いに気を使い合うことで微妙な距離感が生まれていたが…。日米であまたの修羅場をくぐりぬけ、多くの一流選手たちとコミュニケーションも図ってきた田中将ならではの絶妙なワンプレーが、新天地での〝アジャスト〟に大きく生かされたようだ。