リーグ連覇を目指すソフトバンクはこのオフ、甲斐の巨人へのFA移籍により扇の要を欠くことになった。
春季キャンプの最大注目は、ぽっかりと空いた正捕手の座を誰が射止めるか。小久保裕紀監督(53)は「ブロッキングとスローイング。それが一番」と明確なポイントを挙げつつ、決め手については「投手陣の信頼。それを得ないとポジションはつかめない」と断言。宮崎では首尾一貫「選手たちの競争の邪魔をしない」として、個々への言及を避けている。
投手の信頼――。とりわけ正捕手争いのゆくえを左右する特別な存在がいる。「われわれが決めるものじゃない。決めるのは本人たち」と言い切る小久保監督には確かな見立てがある。「有原とモイネロ。誰がこの2人と組むかでしょうね。それだけでまとまった試合を確保できるわけだから」。文字通り、それは指揮官が明示した正捕手への近道だった。
すでに開幕投手が決定しているエースの有原航平投手(32)と、昨シーズン最優秀防御率のタイトルを獲得したリバン・モイネロ投手(29)はともに先発の柱。故障さえなければ、年間25試合以上を託される投手たちだ。エース格の2人の信頼を得れば、周囲の見方もガラリと変わる。付随して得られる信頼によって出場機会はさらに増える。総じて、正捕手への道が一気に開けるのは間違いない。
エース格や実績あるベテラン、ブルペンリーダーといった格となる投手たちが何を求めているのか。昨季、第2捕手として一軍で51試合に出場した海野に一日の長があるかもしれないが、海野にないものを求めている投手もいるだろう。
開幕直前まで続くシ烈な正捕手争い。15日からは独自調整組の有原、モイネロに加え絶対守護神のオスナ、ヘルナンデスがチーム本隊に合流する。ベテラン・嶺井もA組に昇格してくる中、フロントが明確なビジョンを持って世代交代を託す海野、谷川原、渡辺にとっては「大きな信頼」をつかむ本当の勝負が始まる。












