チームの窮地にがぜん期待値が上がっている。ソフトバンク新戦力の目玉・上沢直之投手(31)が春季キャンプ(宮崎・生目の杜運動公園)第3クールの12日にブルペンで61球を投げ込み、状態の良さをアピールした。

 開幕ローテーションが確約されていたカーター・スチュワート投手(25)が左脇腹を痛め、この日からリハビリ組に合流。調整遅れが必至となる中、首脳陣は長いシーズンを見据えて無理はさせない方針で先発枠を争う候補選手にとってはチャンスが巡ってきそうだ。

 首脳陣、フロント関係者、目慣らしで打席に立った野手らが浮き上がるような球筋に感嘆の声を上げた。それでも課題を克服するため、上沢はこの日も投球練習後にブルペンにこもり続けた。

「真っすぐが自分の思ったところに、思ったような強さで投げられていないので、もっといい真っすぐを投げられるように。僕は真っすぐさえ良くなれば他の球種はなんとでもできる。真っすぐはごまかしが利かないので徹底した練習が必要になる」(上沢)

 腕が横ぶりになる癖を矯正するため「縦に回る意識」で連日、倉野コーチらと長時間に及ぶ〝補修〟に取り組んでいる。このキャンプではブルペン投球を重ねるごとに精度、質ともに向上しているだけに「開幕にベストに持っていけたらいいですけど、投げながら理想の形に持っていきたい」と完全復活への自信がにじむ。

 宮崎では連日、昨年9月に疲労骨折した右ヒジの不安を感じさせない投球を披露。周囲の期待は日に日に高まっている。18日には初の実戦形式の練習となる打撃投手登板に臨む予定。さらにこの日までにチームの今季初陣となる22日のオリックスとのオープン戦(アイビー)で記念すべき鷹デビューを飾ることが判明した。

 再起をかける日本球界復帰1年目。NPB通算70勝を誇る右腕がギアを上げていく。

移動中の上沢直之.
移動中の上沢直之.