巨人は13日に宮崎春季キャンプの全日程を終え、打ち上げた。翌14日の移動日を経て15日からは沖縄・那覇で2次キャンプを迎える。今年のキャンプで阿部慎之助監督(45)がテーマとして掲げているのが「気づき」だ。チーム全体に「周りを見て、いろいろなことに気づけるかどうか」と訴えかけている中、指揮官自身はすでに身につけた〝気づく力〟を誰よりも存分に発揮し続けている。
今年の宮崎キャンプは初日の悪天候に始まり、以降も例年にないほどの肌寒い日が続いた。コンディションには恵まれなかったものの離脱者が出ずにキャンプ前半戦を終えたことで、阿部監督は「そこが一番良かったかなと思います」と安どの表情を浮かべた。
沖縄キャンプでは現状の一軍メンバーに加え、二軍から4年目の外野手・岡田をただ1人招集。さらに激化が予想される外野手争いとともに、実戦もいよいよ本格化してくる。指揮官は「場所も変わって気候も変わる。チーム全体がもう一つギアを上げてやってくれればいいなと思います」とさらなる発奮を促した。
その言葉の中には言うまでもなく「気づき」も含まれている。キャンプ出発前の1月17日に行われたスタッフ会議で阿部監督は「『気づき』がないと人として成長がない。若い選手をずっと見てきたけど『気づく力』が足りないと感じたので」と訓示し、チーム全体に今春キャンプのテーマを課した。
人一倍「気づく力」にたけた男でもある指揮官はキャンプ中、一、二、三軍全てをまるで回遊魚のように動き回りながら若手選手をくまなくチェック。気づいたことを基に個々の選手たちへ細かな助言を送り、時には身ぶり手ぶりを交えながら直接指導も行っている。
こうした目配りや判断の鋭さは報道陣に対しても同様だ。囲み取材で若手記者がやや緊張気味に質問した際には、相手の心情を察しながらおもんぱかるように「そうだなあ」と考え込む。そして慎重に言葉を選び、必ず丁寧に回答する。
こうした姿勢は二軍監督時代から養われた〝たまもの〟と評していい。実際に当時も本紙G担若手記者の姿を見つけ、わざわざ歩を止めて「東スポか…。何か使えるようなネタあったかな…」と長考したことがあった。最終的には「いや、なんもねえや」と笑い飛ばして終わったが、報道陣の〝ヤングG〟に対しても細かな気配りをしていることは明白だった。
指揮官自ら背中で見せ続けている「気づき」。キャンプで己を磨くジャイアンツの若武者たちにとって、これ以上ない〝生きる教材〟となっている。












