別名を「徒競走婆」ともいう。主に夜間の渋谷のセンター街に出没した。山の峠やバイパスなどに出没する超スピード妖怪「100キロババア」とは違って、渋谷という狭いエリアに出没して100メートルという狭い範囲で活動することが特徴である。

 1990年代から2000年代初頭にかけて、渋谷ではやった厚底ブーツ、あるいはぶかぶかのズボンをはいた若者に徒競走を挑み、若者が負けた場合、お尻にかみ付くのだという。ある意味、平成初期の若者文化が生み出した妖怪だと言える。

 他に若者文化から誕生した妖怪がいる。「携帯婆」は迷惑電話が生み出した妖怪である。「渋谷こなき爺」は援助交際の末、妊娠してしまった女の子が生み出した妖怪であった。

 100メートルババアは現代妖怪のように思えるが、正当な伝承妖怪の血筋はひいている。民話「三枚のお札」に登場する伝承妖怪「山姥」は、猛スピードで人間を追跡するのだ。いつの時代も妖怪と化した老人は、ものすごいスピードで駆け抜けていくものである。