王道マットに新たな歴史が刻まれた。全日本プロレスの3冠ヘビー級選手権(30日、東京・大田区総合体育館)は、挑戦者の安齊勇馬(24)が中嶋勝彦(36)を破り、デビュー1年半で最高峰王座を手にした。24歳10か月での初戴冠は、2016年2月に宮原健斗が樹立した26歳11か月を大幅に塗り替える最年少戴冠記録樹立となった。
ホロ苦の戴冠劇だった。序盤にジャンピングニー2発で先制したかに見えたが、5分過ぎから完全にペースをつかまれた。左右の蹴りから馬乗りエルボー、ナックル、急角度のバックドロップ…。さらに右腕を徹底的に攻められ、苦しい展開が続いた。
キックの雨アラレから15分過ぎにはスリーパーで捕獲され、意識も遠のきかけた。それでも会場を包んだ大「安齊コール」に背中を押され、フラフラになりながらも必死に立ち上がる。迎えた19分過ぎ、バーティカルスパイクを体を入れ替えて阻止すると、カウンターのジャンピングニーを発射。最後の力を振り絞り渾身のジャーマンを放ち、20分16秒、執念の3カウントをもぎとった。
一部からはブーイングが起こる中、安齊は「メチャクチャ泥くさい試合で、メチャクチャだせえかもしれないけど、何とか取り返しました」と豪語。
「今までで一番、頼りにならないチャンピオンかもしれないし、不安なチャンピオンかもしれないけど、俺はこのベルトとともに成長して、全日本プロレスの揺るぎないエースになってみせます。これからは俺が時代をつくるって格好いいこと言ったらみんな首をかしげるかもしれないけど、俺は胸を張って言います。これからは俺が時代をつくります」
中大レスリング部の先輩、故ジャンボ鶴田さんが1989年4月に初代3冠王者になった大田区で新たな伝説をつくった若武者が、激動の王道マットをけん引する。













