パリ五輪代表選考レース最終戦の名古屋ウィメンズマラソン(10日、バンテリンドームナゴヤ発着=42・195キロ)で、安藤友香(29=ワコール)が2時間21分18秒で初優勝した。代表のラスト1枠は、1月の大阪国際女子マラソンで2時間18分59秒の日本新記録を樹立した前田穂南(27=天満屋)に決定。アテネ五輪金メダルで前日本記録保持者の野口みずき氏(45)は女子マラソン界の飛躍を指摘し、前田の本番での好走に期待を寄せた。
再び動き出した時計の針は選手たちに大きな刺激を与えた。パリ五輪切符を手にするには日本記録の更新がマストだった中で、安藤と3位の鈴木亜由子(日本郵政グループ)が自己ベストを更新。野口氏は「前田選手の思い切りの良さや『やればできるんだ』というところを見せてくれたおかげで、他の選手たちも『行けるところまで行こう』と思い切りが生まれたのでは。日本記録に届かなかったが、全体が底上げされてきた」と評価する。「記録を狙っていくという点では(2時間)20分切りが当たり前になっていくのを目指してほしい」とさらなるチャレンジを後押しした。
パリ五輪へのチケットを手にした前田は、前回の東京五輪に続いて2度目の大舞台。野口氏の日本記録を19年ぶりに塗り替えたこともあり、一躍脚光を浴びた。
だからこそ、野口氏はメンタル面のセルフケアが重要になると分析する。「私が過去に北京五輪で過度なプレッシャーを自分で与えてしまい、ケガをしてしまったことがあった。そこはやっぱり平常心になりながらも、ちょっと上のレベルを見ていかないといけないので、難しい心境になるかとは思うが、コントロールできると強い」と自身の経験を踏まえて説いた。
パリ五輪のレース日まで、11日でちょうど5か月。今後は大一番を照準にした調整が求められる。野口氏は「アフリカ勢の代表がまだ決まったわけではないが、今までのレースの流れを見ると、ペースの上げ下げだったりがあると思う。他の選手もそうだが、そこをどう乗り越えられるか」とポイントを指摘。
「前田選手は自分の感覚、自分のリズムでロングスパートをできる力があるので、戦える位置に近づいているのでは。五輪の本番は2度と戻って来ない。後悔のないように、力を出し切るつもりで、モチベーションをずっと保ち続けて頑張ってほしい」とエールを送った。
前田は所属先を通じ「2大会連続で五輪の舞台で日本代表として走れることに誇りを持ち、世界でしっかり自分のパフォーマンスを発揮したい」と決意表明。野口氏からのタスキを受け取った日本記録保持者が、パリの地で大輪の花を咲かせるか。












