阪神は6日の楽天戦(甲子園)に2―5で敗れた。定位置を狙う5年目・井上広大外野手(22)と3年目・前川右京外野手(20)にそれぞれ快音はあったが、野球評論家の柏原純一氏は「もろ手を挙げて〝満足〟とは感じていないだろう」と岡田彰布監督(66)の胸中をおもんぱかった。一体、両外野手のもどかしい点とはどこにあったのか…。
【柏原純一「烈眼」】昨年、右翼を中心に94試合出場した23歳の外野手・森下翔太が日本代表に選出されて不在の一戦。この日、井上は右翼、前川は左翼でスタメンに抜てきされてフル出場し、打撃が持ち味の彼らにとって、またとないアピール機会となる試合だったはずだ。
開幕まで約3週間。生き残りをかける立場であることは本人たちも分かっているだけに、なおさら力の入った4打席だったに違いない。2回は2人そろって楽天の元メジャー右腕・田中将から安打を放ち、井上はさらに7回に左腕・ターリーのチェンジアップを捉え、左越え二塁打を放つなどマルチ安打に1打点。この日の全3安打を2人が記録したことからも、必死さは岡田監督にも間違いなく伝わったと思う。
一方で、試合後の岡田監督が「ストレートを打ったわけじゃないし…」と、つぶやいたように内容にも、さらにこだわって取り組んでほしいと感じたのも事実だ。
前川は4回の第2打席で楽天・ポンセが3球続けた直球に差し込まれ、遊飛に終わった。井上なら9回の右飛などで、速い真っすぐを一発で仕留めたか否かで課題が見え隠れした。バッター有利のカウントで凡打に終わったのであればなおさらだ。打席での「準備」の仕方や考え方などを、さらに綿密に見つめ直していく必要がある。
もう一点。「今年こそ一軍で」という気持ちを持つのであれば、自分が何をしたらチームに貢献できるかを常に考えられる選手であってほしい。3点を追う9回の攻撃。前川は先頭で2ボールから3球目の直球に力み、平凡な一ゴロ。二死後の井上はカウント3―1から、楽天の投手がストライクを取りにきた真ん中の直球を捉え損ねて右飛に倒れた。
まだオープン戦で彼らにとっては1打席1打席が勝負なのは分かる。仮に公式戦なら違う対応が果たしてできたのか。まずは出塁をして塁上をにぎわせたい場面。強引に打ちにいった結果、凡退するよりボール先行の状況なら手を出すストライクゾーンを意図的に狭めて「四球」を選ぶ出塁に重きを置いた方がチームへの貢献度としては高くなる。
どこまで状況設定をして打席へと向かっているか――。岡田監督は最終的にはその部分を見て彼らが本当の意味で「戦力になり得るか」を判断するような気がしてならない。
(野球評論家)










