井端弘和監督(48)率いる侍ジャパンが欧州代表との強化試合(6、7日、京セラ)に臨む。今秋の「プレミア12」や2026年のWBCに向け、有望な若手を発掘する意味合いが強い。そこで期待されているのが、指揮官の〝千里眼〟だ。類いまれなスカウティング能力を誇る侍指揮官の眼力には、球界内からも称賛する声が次々と上がっている。

 井端監督の〝見抜く力〟を裏づける形となったのが、今回の代表メンバーに抜てきされた広島の3年目・田村俊介外野手(20)の台頭だ。代表入りが発表された2月中旬の段階では一軍キャンプにこそ選ばれていたが、チーム内の立場はあくまでも外野のレギュラー候補の一人だった。一軍出場も通算10試合でいわば未知数の選手だ。

 そんな実績のない選手がなぜ井端監督の目に留まったのか。指揮官によれば昨秋の「アジアチャンピオンシップ」直前に行われた広島との練習試合で「1スイングを見た時から素晴らしいと思いました」と明かす。たったひと振りで近い将来には球界を代表する好打者に成長すると予見したのだという。

 すると、田村はその後のキャンプで一気に頭角を現した。2月17日のロッテとの練習試合では4番でスタメン出場し、第1打席でいきなりの本塁打。レギュラー争いで強烈な存在感を放ち、この試合を視察していた侍関係者は「井端監督が『いい』っておっしゃっていたけど、本当だった。本当に今日も1スイングでホームランを打っちゃった」と目を丸くしていた。選考時だけでなく先々ののびしろまで見抜いた思考の深さに感動すら覚えたそうだ。

 そんな類いまれな〝スカウティング能力〟を持つ井端監督だけに「次は誰?」と期待せずにはいられないという。

「ペナントレース期間中は金子ヘッド(ロッテ)や村田コーチ(巨人)、梵コーチ(オリックス)と野手のコーチ陣はみんな自分のチームの仕事で手いっぱいになる。秋のプレミアまでに、より思考を巡らせて、選手を見極めようとなった時に井端監督の『見る目』は非常に頼りになる」

 井端監督は29日のプロ野球開幕後にプレミアの新たな人材を発掘するため、再び12球団の公式戦を視察する予定だ。どんな名前が飛び出すのか目が離せなくなりそうだ。