西武投手陣に誕生した「陽キャデュオ」が想定以上の化学反応を引き起こしている。ブルペン再建の重要ピースとして加入した最速159キロ左腕のジェフリー・ヤン投手(27=前マーリンズ傘下)と甲斐野央投手(27=前ソフトバンク)が、戦力面の上乗せだけでなく「ムードメーカー」として投手陣結束の大きな役割を果たしているのだ。

 6年ぶりに復帰した炭谷から「新加入であれだけ溶け込めるのは森本稀哲(2014年から2年間在籍、15年シーズンを最後に引退)以来」とたたえられている甲斐野は、オフのストーブリーグをザワつかせた山川穂高内野手(32)の人的補償という〝裏暗いストーリー〟を全く感じさせないポジティブキャラで新天地移籍後の初日からアクセル全開。早くも生え抜き以上の陽気さで投手陣の輪の中心にいる。

 自らも新参者でありながら、甲斐野は南郷での春季キャンプ初日から何かと気疲れの多い新人3投手を気遣いつつ積極的に声をかけながら他の投手陣との融合に努めていた。これにはドラフト1位・武内が「甲斐野さんの方から話しかけてくれてありがたかったですし、いじられて自分的にはうれしかった」と心遣いに深く感謝。同い年の高橋光成も「予想以上に溶け込むのが早かったし、甲斐野が入ってから(投手陣が)よりいっそう明るくなった」と評するなど、すでに大きな役割をこなしているニューカマーにはチーム内から賛辞が次々と贈られている。

 そして、この甲斐野に絡みながら不思議なラテン系の笑いでライオンズの投手陣に融合しているのが昨年、米マイナーリーグ46試合(57回)で102奪三振(奪三振率16・11)をマークした「ドミニカの奪三振マシン」のヤンだ。

 第1クール最終日の9日に新加入投手の歓迎会として開かれた投手会では、このヤンが大暴走。ルーキー3人が「とにかくヤンが面白くて1人で盛り上げてくれました。本当にいい歓迎会でした」と証言したように〝カリブの甲斐野〟が本家のお株を奪う暴れっぷりで宴の主役となった。根底に流れる〝ラテンの血〟が共鳴し合うのか、ヤンと甲斐野は練習中も周波数を合わせ、常に笑いで周囲を巻き込みながら投手陣全体のポジティブな雰囲気を作っている。

 この2人が期待通りの役割をこなした上で「陽キャデュオ」としてブルペンからポジティブなバイブレーションを発信し続ければ、今年の西武投手陣はまた一段上のステージに到達できるかもしれない。