偉大な先輩に追いつき、追い越してみせる――。沖縄・北谷キャンプに参加している中日・涌井秀章投手(37)が「通算170勝」を目標に掲げていることを激白した。

 今季でプロ入り20年目を迎えるベテラン右腕を直撃すると「今年、もし11勝したとすれば(通算勝利数で)松坂さんに並ぶんですよね。そうすれば(名球会入り当確の)200という数字も見えてくる」と打ち明けた。表情は普段通り淡々としていたが、口をつく言葉は熱かった。現在は通算159勝。メジャーでも活躍した松坂大輔氏(43)の日米通算勝利数「170」にロックオンしている。

 松坂氏は涌井にとって特別な存在。横浜高、西武、中日の大先輩というだけではなく憧れの野球選手だ。特に松坂氏の西武時代には、大エースの背中を間近で見てさまざまなものを吸収してきた。WBCの舞台でもそのすごさを目の当たりにした。松坂氏の通算勝利数は日米通算。涌井自身はメジャー挑戦を選択しなかったが、特別な先輩の数字に思い入れがあるのは当然だろう。

 今キャンプ中の休日には、松坂氏本人と対面する機会もあった。忙しいスケジュールの合間を縫って、松坂氏が沖縄を訪問してくれたという。貴重な時間、空間を共有したことで英気を養い、涌井の思いはさらに強くなったに違いない。

 昨季は5勝にとどまり、自己ワーストの13敗を喫した涌井。チームも2年連続の最下位という結果に満足しているはずがない。「別に何も特別なことはしていないですよ」。いつものようにポーカーフェースを決め込んでいるが、それはやるべき事を理解し遂行できる力がある証拠だ。

 中日への移籍2年目となる涌井が先輩・松坂氏の勝利数に追いつくとするならば、立浪ドラゴンズの上位浮上も見えてくる。