いかにも、一家訓ある大砲らしかった。ソフトバンクの山川穂高内野手(32)が宮崎春季キャンプ休日の14日、リチャード内野手(24)とともに生目の杜運動公園室内練習場で休日返上練習を行った。

 すでに予告していた通り「頭は休ませますけど、体をちょっと動かした方が僕の過去の感覚的に休み明けの練習にすんなり入りやすい。ゴルフとかできたらいいんですけど、ゴルフがあんまり得意じゃないんで、ちょっと汗をかきに来ました」と意図を説明。西武時代からオフの自主トレをともにしてきたリチャードを帯同した理由については「予定があれば(来なくて)いいんですけど、暇だったら一緒にやろうかと(誘った)」。約1時間ほどバットを振り込んだ。

 互いにリラックスした様子で、熱の入った野球談議が交わされることはなかった。キャンプ中、野球と向き合う中で緊張と緩和も大事だ。過去の実体験にもとづき、何げない会話の中にヒントが転がっていることを後輩にも知ってほしかった。

「(今日は)バッティング雑談です! 雑談をしながら『こうだよな』って話の中で、お互いが気づき合うこととか『お前はこうだよな』って、そういう話をしてるので。そこでお互いメリットがあれば一番いい」

 本塁打王3度の大砲は、西武時代に雑談の中から〝きっかけ〟をつかんできた。

「それは間違いないです。活躍している人には必ずいい感覚もあれば、いい共通点もあるんで。もっとフランクにというか、おしゃべりの延長でいい。自分のいいと思うものだけを頭に残しておけばいい」

 変わるチャンスやヒントはどこに転がっているか分からない。身をもって知っているからこそ、かわいい後輩にきっかけの場を与えたかったはずだ。

「こんな感じでやってますんで、もう来なくていいですよ」と、笑いながら球場をあとにした通算218発の大砲。らしさ全開の一日だった。