さあ、球春到来だ。昨季、38年ぶりとなる日本一に輝いた阪神が1日から沖縄・宜野座で春季キャンプをスタートさせた。岡田彰布監督(66)は31日にキャンプ地に入り、球団史上初の連覇達成へ改めて意欲を燃やした。そんなカリスマ指揮官を象徴するアイテムとして昨季大きな話題となったのが、ベンチ内で何度も口に運んでいた「パインアメ」。このお方、なんで一日に7、8粒もアメばっかなめてたんやろか? 試合中以外では口にするとこ見たことないのにな――。素朴な疑問を胸に秘め、本紙が虎の知将を直撃した。
静かなる闘志を燃やした。岡田監督はチーム宿舎で行われた前日ミーティングで「俺は去年よりも今年の方が勝ちたい。シーズンの最後に6球団の一番上にいないとファンも周りの人も納得してくれない。やることは変わらない。とにかくもう一回守備からやる」と約10分間、ナインへ訓示。選手会長の中野も「監督の『勝ちたい』という熱い思いが伝わってきた。選手の心にも響いたと思う」と新たな戦いへ表情を引き締めた。
タテジマの申し子・岡田監督は1985年には現役選手として、2023年には指揮官として12球団の頂上に立った球団史上オンリーワンの存在。残る宿題はただ一つ。創設89年の歴史を持ちながら、まだ一度も達成できていないリーグ連覇だ。いつまでも続く祝賀ムードの中、昨オフは柔和な表情を見せることも多かった岡田監督だが、いよいよ生粋の勝負師らしい本来の緊張感が戻ってきた。
百戦錬磨の老将のタクトは今季も猛虎最大の武器だ。そんな球界最高峰の野球脳を支えるのは、今や虎将のトレードマークとして広く世間に認知されるようになった大好物の「パインアメ」。多い時は1試合で7、8粒も口にするという。それも単に好物だからという理由だけでなく「集中力」を持続させる狙いもあるという。ジューシーな甘みは疲れを癒やす効果もあり、なくてはならないマストアイテムなのだ。
時代の流れもあり、現役選手はもちろんのこと、チームスタッフ、関係者の中でもたばこを吸う人間は今や圧倒的に少数派。その一方、岡田監督が愛煙家であることは周知の事実だ。指揮官は本紙の直撃に「今はたばこ吸う人間ホンマに減ったよな」と少しだけ寂しそうな表情でたばこを静かにくゆらせながら、こう続けて明かした。
「健康のこと考えてな、2、3年前から1ミリのたばこを吸ってるんよ。こんなんオマエ、何本吸っても吸った気せえへんけどな(笑い)。昔は6ミリの吸ってたんやけど6―3―1ミリや。今は宿舎も球場も禁煙のとこ多いけどな」
当然のことながら周囲へのマナーと健康には気を払ってはいるものの、肩身の狭さは他の愛煙家たちと同様に感じている。それでも日ごろの緊張感から解き放たれた時の一服は何物にも代えがたい。
その中でも最も難儀するのが通常で3時間、長ければ4時間以上かかるシーズンの試合中だ。そんな時に口寂しさを紛らわせてくれる「パインアメ」。実は集中力を持続させ、采配に没頭するためには欠かせない存在であることを岡田監督は本紙に明かす。“岡田脳”をフル稼働させるため「その手の口寂しさを紛らわすため飴をなめてらっしゃるんですね」と水を向けると「ほうよ」と答えた。
昭和然とした古風で厳格な雰囲気を漂わせながらも、人間味あふれるキャラクターとカリスマ性で親子以上に年齢が離れた選手たちのハートを掌握。たばことパインアメは、虎の知将の硬軟両面を見事に象徴するアイテムだ。もう一度宙を舞い、美酒を浴びる。その後にはきっと極上の一服が待っている。












