2018年の浅村(楽天)、炭谷(巨人=現西武)、19年の秋山(レッズ=現広島)、22年の森友哉(オリックス)、今オフの山川(ソフトバンク)と続いた西武主力野手の〝FAラッシュ〟が終了した。

 19年から現職に就任した渡辺久信GM(58)はこの5年間で秋山、森、山川の引き留めこそ叶わなかったものの十亀、熊代、増田、岡田、外崎、源田、平井と7人の引き留めに成功。今オフには楽天を戦力外となった炭谷の再獲得も成し遂げ〝山賊時代〟の上位打線4人を失いながら、自ら宣言していた「投手王国」の陣容を着々と固めてきた。

 同GMは「FAは選手が取った権利。これはどう使おうがわれわれはしっかり尊重する。ただポスティングに限っては球団の権利だし、それは球団がどう使おうが、というところなので」と近い将来にメジャー移籍を目指す高橋光成投手(26)、平良海馬投手(24)に言い含め、当人たちを納得させている。

 こうした背景を鑑みれば、主力野手の〝FAラッシュ〟の次に控える西武の課題が主力投手の〝ポスティング・ラッシュ〟となるのは必然の流れだ。

 それでも球団側に慌てる様子は微塵も見られない。21年ドラフトで西武は隅田知一郎投手(24)、佐藤隼輔投手(24)の左腕2枚を上位2枠で獲得。23年ドラフトでも1位で即戦力左腕・武内夏暉投手(22=国学院大)、2位で上田大河投手(22=大商大)の即戦力2枚を獲得し、近い将来の高橋光、平良流出への備えを着々と進めている。

 球団関係者は「打者として森、山川クラスはなかなか出てこない。対して、いい投手は毎年一定数出てくる。常勝軍団への近道は、まず投手力を上げること。強力打線は狙って作れるものでもない」と指摘。18年、19年のわずか2年間で文字通り「短命」に終わった山賊打線の苦い教訓から「投手力中心のチーム編成」といったライオンズ黄金時代への回帰を力説している。

 かつての近鉄「いてまえ打線」、そして西武「山賊打線」と攻撃力主体の野球は見る側を魅了するものの持続力に欠ける。より再生可能なチーム編成は、やはり投手主体の守り勝つ野球ということのようだ。