過渡期の出口が見えないソフトバンクで今、求められているものとは――。昨秋開催された「アジアプロ野球チャンピオンシップ」(原則24歳以下、入団3年目以内)でホークス勢は12球団で唯一、代表選出がゼロだった。たとえコンディション面などを考慮した選考だとしても、寂しい現実だった。
今オフ、戦力外となった上林(中日)や次代を担うとされる栗原らが大ケガに泣かされる不運も確かにあった。だが、近年レギュラーに定着した中堅、若手の名前を挙げられないのが実情。チーム内競争を活性化する下からの突き上げが乏しい。
5日に行われた仕事始めで、後藤球団社長兼オーナー代行は「若い選手のより早い時期からの一軍での活躍を個人的には一番期待している」と声を大にした。続けて「チャンスを与えるのは監督だと思いますが、チャンスをもらった選手には、結果を恐れずに思い切ってやってほしい」と訴えた。
もう何年も前から異口同音に聞こえてくる声がある。「ポジションは与えられるものではなく、つかむもの」。声の主は有力OBや古株の球団関係者だ。「人に与えられるのではなく、自力でつかんでこそ選手もチームも安定する。与えられ続けた座は弱く、ぐらつく」。4年連続日本一の後、3年連続のV逸。憂えていた不安定期が現実となって久しい。
野球の進化、時代の変化とともに育成の現場も変わっている。今を生きる選手たちに響くアプローチを追求するのは必然だが、立身出世を遂げてきた者たちの声も尊い。
「今ホークスに求められているのは、長谷川勇也や中村晃のような若手。この試合でダメならすぐ二軍というわずかなチャンスを血眼になってつかんできた彼らのような人間。自分でつかんだ選手は強い。強いから信頼され、安定が生まれる」(あるOB)
年間を通じて安定したパフォーマンスを発揮するには体力が必要だ。そのためには練習量も求められる。ドラフトの指名順位に関係なく主力に育った顔ぶれは強い選手たちだ。
和田や牧原大といった現役選手からも、若手に対するまっとうな苦言が公の場でも呈され始めた。ファンの見方も変わり始めている。〝若手を使え〟の一辺倒ではなく、その厳しい目は成長を後押しするはずだ。球団の安定経営に勝利は必須。補強せずに数年後の未来を描けるのであれば明るいが、そうじゃない現実が広がっている。今年こそ、反発力のある本物の主力候補は出現するか。












