阪神・湯浅京己投手が21日に兵庫・西宮市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、現状維持の年俸4700万円でサインした。

 昨季、最優秀中継ぎのタイトルを獲得するなど大ブレークを果たした独立出身右腕は、今春に行われたWBCにも侍ジャパンの一員として参加。世界一の栄冠を味わうなど順風満帆そのものにプロ5年目のシーズンに臨んだ。だがペナントレース開幕後は不振に陥り大苦戦。チームの新守護神としての役割を果たすことができなかった。

 6月には成績不振もあり登録を抹消。7月には左わき腹を痛めたこともあり、レギュラーシーズン中の一軍復帰はかなわなかった。15試合に登板し0勝2敗8セーブ、防御率4・40。不本意な成績に終わってしまっただけに現状維持という査定結果に「(年俸は)下がるかなと思っていたので、すごいありがたい気持ち。チームの力になれなかたことは悔しい。もっと貢献したかった」と率直な心境を明かした。

 辛抱強くファームでリハビリと再調整に向き合った結果、シーズン最後の大一番・日本シリーズから戦線に復帰。第4戦(甲子園)では3―3の同点の場面で迎えた8回二死一、三塁という〝超鉄火場〟のマウンドを託され、相手打者・中川を初球の直球で仕留め火消しに成功。後に「湯浅の1球」と呼ばれることになる劇的な復活を果たし、歓喜の美酒に貢献した。

 湯浅はこの日、日本シリーズでの登板を「あそこで使っていただいて感謝しかない。結果的に1球で抑えることができて良かったというかホッとした気持ち。甲子園の大歓声があったからこそ。WBCのメキシコ戦は完全にアウェーだったのですが、日本シリーズは完全にホームだったので。あの経験が大きかった」と改めて振り返った。

 今オフは動作解析などに取り組み、完全復活への手がかりを探る。「全ての面で成長していきたい。来年だけでなく何年後も見ながら、自分の中で整理したい。来年こそはしっかり1年間、チームの力になりたい」と抱負を語った。