方舟の天才は〝雑音〟を封じることができるか。来年1月2日のノア東京・有明アリーナ大会メインで、丸藤正道(44)はゴールデンスターこと飯伏幸太(41)と初のシングルマッチで激突する。だが、同大会の征矢学とのV1戦がセミに降格したGHCヘビー級王者・拳王が大激怒するなど、ファンの間でも賛否両論が渦巻いている。当事者・丸藤の〝メイン問題〟に対する見解は――。

 丸藤は冷静だった。飯伏との試合が団体最高峰王座戦を差し置き、メインに抜てきされたことについて「俺は今まで『意地でもメインイベントを取ってやる』とか思ったことがなくて。それより『意地でも俺のプロレスを楽しませてやる』っていう思考の方が強かった。だから、今回も全力でやるだけ」と静かに語った。

 ただし、ファンの間で議論が起こっているのは事実だ。ノアを統括するサイバーファイトの武田有弘取締役が団体公式「note」で声明を出し、メインは自ら決めたと説明。丸藤が「5年後に引退する」と明言していることから「今回の有明アリーナ大会は間違いなく『丸藤正道の最終章』の分岐点となるはずです」とファンに理解を求めている。

 一方で王者の拳王は「会社はベルトよりも、丸藤くんの引退ロードの方が大事だと思っているってことになるよな」と怒りの声を上げる事態となっている。

 だが、丸藤は「拳王の今までやってきた頑張りや努力をみんなが知ってるからこそ、今のファンの皆さんの声につながってんじゃないかなって素直に思います」と王者の主張に理解を示す。その上で「俺自身、拳王と征矢のタイトルマッチも楽しみにしてるし、頑張ってほしいし、刺激を受けている」とメッセージを送った。

 また、「5年後に引退する」と明言したことも今回メインに選ばれた大きな要因となった。引退については「結構前から考えてますよ。飯伏くんとの試合も多分、1年後には環境的にも、コンディション的にも難しくなると思う。そういう相手が増えてしまうと思うから、今回の試合を大切にしたい。もしかしたら、5年より早く引退するかもしれないし」と明かした。

 飯伏とは2009年4月と10年7月にシングルが組まれたが、お互いのケガで実現しなかった。あれから13年半。「飯伏くんは狂ってる、いい意味で。プライベートは知らないですよ。僕自身楽しみなのでお客さんも純粋に楽しんでほしい。勝つ自信? 負ける気があって試合するやつがどこにいるんだよ!」。方舟の天才が、新春の有明決戦で躍動する。