今季のスローガン「アレ(A.R.E.)」が流行語大賞に選ばれるなど今やすっかり“時の人”となっているのが阪神・岡田彰布監督(66)だ。オフの祝賀行事では18年ぶりのリーグ優勝、38年ぶりの日本一を達成した指揮官として引っ張りだこで、祝辞の中ではその手腕をたたえられる場面が何度も起きている。そんな岡田監督が今後、目指すべき“名将像”とは…。指揮官の恩師がその青写真を語った。
日本一監督となった岡田監督の功績は、すでに球界内外でも認められた。11月28日のNPBアワーズでは監督キャリア9年目にして「最優秀監督賞」に輝き、その年の球界発展に最も貢献した関係者に贈られる「正力松太郎賞」も初受賞。監督として、その名を球史に刻む記念すべき1年となった。ただ、今年の快挙達成にもまだ続きがある。来季、球団史上初のリーグ連覇となれば、その名声はさらに高まることは確実。岡田監督の早大時代の恩師であり、元巨人の編成部長としても活躍した石山建一氏(81)も、そんな偉業達成に期待を寄せる一人だ。
「今年の優勝、日本一で岡田監督の手腕が広く認められたことは、私としてもうれしい限り。でも今ではもう一つ、球団史に残る大仕事を期待したいなと思っている。それはタイガース初のリーグ連覇。もちろん、簡単ではないと思いますが、彼ならばできるんじゃないかと」。そう切り出した指揮官の恩師は、今季の虎将タクトについて「昔の三原脩監督(故人)の采配を思い出しました」と振り返る。
三原監督は、戦後のプロ野球で1956年から当時の西鉄を3年連続で日本一。60年には大洋を初の日本一に導き“魔術師”とあがめられた。石山氏がその名将を思い浮かべたことには理由がある。かつての三原采配は、6年連続最下位だった大洋を前年とほとんど変わらない戦力で、選手の力を引き出して日本一に導いていた。
石山氏は「今年の阪神は、前年に比べて特段、大きな戦力補強をしたわけではない。いる戦力の中で『見つけて』『育てて』『使いこなす』という適材適所の采配。それが私には、昔の三原監督の采配とかぶって見えたんです」と力説する。
昨年、15年ぶりに虎の監督に復帰した岡田監督は、自前の選手たちの“伸びしろ”を引き出すことで戦力アップを実現。FA補強はせず、外国人補強も例年よりも減らし、あくまで現有戦力の底上げにこだわり、ペナントを制した。そんな名将の手腕を重ねて見ているというわけだ。
就任2年目となる岡田監督の来季は、80年を超える阪神の球団史でも、まだ一度も達成されていない“初モノ”に挑む年。さらなる偉業達成を恩師も今から心待ちにしている。













