どこよりも本気だっただけに、赤い糸で結ばれたのかもしれない。ソフトバンクにドラフト1位指名された大阪桐蔭の前田悠伍投手(18)が27日に大阪・大東市の同校で指名あいさつを受けた。

 すでに1年目からの一軍デビューも視野に入る大器。将来的なエースとして期待される左腕は「責任ある行動を私生活でも野球でも心がけていきたい。これからが勝負」と頼もしく自覚を示した。

 高校球界屈指の名門・大阪桐蔭で1年から頭角を現し、U18日本代表の絶対エースに君臨した左腕は「世代最強」と呼ばれてきた。今年9月に台湾で開催されたU18W杯では、その名に恥じぬパフォーマンスを見せた。

 いずれも強豪の米国、韓国、台湾の3試合に登板して、16回2/3を1失点。国際舞台の要所で能力を発揮する勝負強さと胆力を証明し、あの大谷(エンゼルス)らを擁しても成し得なかった高校ジャパンとして悲願の世界一に大きく貢献した。

 そんな前田に対する鷹の熱意が、現場をザワつかせていた。U18W杯が行われた台湾にソフトバンクはスカウト、編成担当者ら5人以上を海外派遣。その大挙ぶりは異様に映ったという。日の丸を背負った大きな大会で地力を発揮する姿に「大卒以上の即戦力投手」だけに固執する考えは薄れたはずだ。

 高卒投手の早期開花はやはり難しいのか…。人数をかけて前田の実力を見極めた分、迷いは吹っ切れたのだろう。1位指名を公表していた国学院大・武内をくじ引きで外した後、即戦力候補が残っているにもかかわらず、ためらうことなく前田の指名に切り替えられた理由だった。

 外れ1位ながら3球団が競合し、抽選の末に結ばれた縁。ファンのみならず、チーム内からも「納得できるドラフトだった」という声が漏れ伝わる。期待通りに前田が早期に台頭してくれば、言うことなしだ。