アーティスティックスイミング(AS)で2016年リオデジャネイロ五輪チーム、デュエット2種目銅メダルの乾友紀子(32=井村ク)が27日、都内で引退会見を開き、恩師への思いを明かした。

 今年7月の世界選手権福岡大会では2大会連続でソロ2冠を達成。第一線で活躍する中、引退を決意した理由について「世界選手権を終えて振り返った時に、悔いなくやりきれたと思った。大会の結果だけではなくて、そこまでの過程で一日、一日と濃い時間を過ごし、積み重ねてきた日々に悔いがないと思えたので、決断しました」と説明した。

 東京五輪後に、非五輪種目のソロに転向。来年のパリ五輪への未練はなかったようで「東京五輪が終わって、デュエットとチームではやりきれたけど、ソロではやり残したことがある、もっと挑戦したいと思った。世界選手権後に振り返って、五輪への悔いは残っていなかった」と明かした。

花束を受け取った乾
花束を受け取った乾

 小学生の時から、AS界の名指導者として知られる井村雅代コーチ(73)に指導を受けてきた。今回の決断も「井村先生に初めに伝えた」と言い、一番の思い出は「今回の世界選手権からルールが変わり、得点発表の瞬間をソファで一緒に迎えることができた。思い切り(井村コーチと)ハグができて本当にうれしかったし、その気持ちを共有できたのがとても印象的だった」と笑顔で振り返った。

 信頼する恩師に対し「ありがとうの言葉では、伝えきれないぐらい感謝している。競技をやめようと思った時もあったけど、そこで井村先生が私を引っ張って、いつも近くにいてくれたのが心強くて頑張れた」とあふれる思いを語った。