いよいよ崖っぷちだ。日本私立学校振興・共済事業団は23日、日大に対する2023年度の私学助成金を全額不交付にすると決定。アメリカンフットボール部の薬物問題を巡る大学側の対応を問題視したためだ。日大ではたび重なる不祥事に加え、林真理子理事長が沢田康広副学長に辞任を求めていたことが表面化するなどゴタゴタ続き。大学関係者の間では受験者数の激減もささやかれており、お先は真っ暗だ。
日大に対する私学助成金は2020年度に約90億円が交付されていたが、田中英寿前理事長らの不祥事により21、22年度は全額不交付。今回の決定により3年連続で助成金ゼロが確定した。事業団の担当者は「アメフト部の違法薬物問題に対する法人の対応で、捜査関係者への連絡や理事長、学長への情報伝達など、大学のガバナンスに問題があった」と理由を説明した。
薬物問題への一連の対応を巡っては、9月に林理事長が沢田副学長に辞任を求めていたことも表面化。この退陣要求に沢田副学長が反発するなど、内紛劇に発展している。相次ぐ〝醜聞〟に、学生や職員ら学内関係者の不満もピークに達しつつあるという。その一つが、林理事長をトップとする新体制に対する失望だ。
日大芸術学部出身の林理事長は昨年7月に就任すると、外部人材を多く起用する新体制を発足させた。しかし、今回の騒動で組織改革の不十分さが露呈した。日大関係者は「大学側と、世間との感覚がずれている。世間の感覚を取り入れるために外部から理事を3分の2も取り入れたが機能していない」。変わらない危機管理能力のなさに苦言を呈した。
日大のブランドイメージ低下で今から懸念されているのが、受験者数の激減だ。同関係者は「これから受験者が減って、大学の活気や研究の質が落ちるかもしれない。他大学に抜かされて、いい研究者や競技部で優秀なスポーツ選手が輩出できなくなり、大学の質が下がっていく」と表情を曇らせた。
騒動の発端となった、アメフト部の薬物問題の着地点も見えないままだ。別の関係者は「大学の調査では、大麻を使用している人は1人だけという結論だったが、警視庁の調査では何十人か(関与者が)見つかった。身内に甘いというか、特に自分たちに甘い感覚が出ていると思う」と改めて大学の対応に厳しい目を向けている。
出口の見えない薬物問題、助成金不交付、受験者数の激減…。学生数日本一を誇る日大が負のスパイラルに陥っている。












