【楊枝秀基のワッショイ!スポーツ見聞録】甲子園が歓喜に包まれた。阪神・木浪が19日のCSファイナルステージ第3戦で9回二死満塁からサヨナラ打を放ち、チームを劇的勝利へと導いた。これでチームは広島に2連勝し、アドバンテージを含め3勝0敗で一気に王手をかけた。
ヒーロー・木浪の放った値千金の一打を見届けつつ、思わず視線を三塁コーチャーの藤本敦士コーチに向けていた。教え子の活躍を喜ぶ姿に、かつて藤本コーチと交わした会話を思い出したからだ。
今となっては「言霊(ことだま)」だったのかとも思う。4年前、2019年の7月8日に藤本コーチを取材した時だ。「03年にマジック49が点灯したのがこの日だと覚えているか」という質問から会話が発展していった。
当時はドラフト同期の近本、木浪がルーキーとして矢野阪神で躍動。先に入団していた中軸の大山とも同い年とあって将来を嘱望されていた。
「16、17、18年はタナ(田中広輔)、キク(菊池涼介)、マル(丸佳浩)、誠也(鈴木)と同い年の選手が成長してカープが3連覇したでしょ。阪神も近本、木浪、悠輔(大山)らが同時期にグッと伸びたら同じようになる可能性だってありますよ。今年はまだかもしれないけど、近い将来ね」
03年の阪神は星野仙一監督の下、当時のセ・リーグ史上最速でマジック点灯させ、そのまま18年ぶりのリーグ優勝に輝いた。このシーズン、藤本は入団3年目。127試合の出場で規定打席に到達し打率3割1厘と堂々の成績を残し「恐怖の8番打者」として遊撃のレギュラーを張っていた。
「あの頃は自分のことに必死やったから何も覚えていないですよ」と話すが、そのガムシャラな姿勢こそが結果を残した要因だろう。
現代版「恐怖の8番打者」である木浪とて、今季が始まる前は不動のレギュラーではなかった。ガムシャラに努力した結果、今の立場をもぎ取った。
これで日本シリーズ進出へ王手。明るい虎の未来を感じさせる勝利に甲子園は大いに沸いた。












