日本高野連と全日本大学野球連盟は12日にプロ志望届提出を締め切った。提出者は26日に行われるドラフト会議での指名対象選手となる。だが、すでに「米大学留学」を表明している花巻東・佐々木麟太郎内野手(3年)は公言通りに提出を見送った。

 その佐々木麟については早くも複数の米メディアから「和製プリンス・フィルダー」の異名をつけられ、アマチュア選手としては異例の注目が集まっている状況だ。エンゼルス・大谷翔平投手(29)、ブルージェイズ・菊池雄星投手(32)の直系の後輩であることから、MLB公式サイトでは「花巻東は将来のMLBスターを生む最適な高校かもしれない」と伝えている。

 果たして佐々木麟は今後、どういう手順で留学先を選定していくのか。MLB関係者は「ササキと留学先の橋渡し役となるのは多くのメジャーリーガーを顧客に抱える敏腕代理人として知られ、本人のアドバイザー役もひそかに務めているスコット・ボラス氏だろう」と指摘し、こう語る。

「現時点で本人の英語力は不自由なく会話ができるレベルにはないと聞く。まずは9月の入学までの半年間で語学を習得し、そのレベルに合った大学、短大をエージェントが選定する流れになっていくと思う」

 佐々木麟も「英語も勉強しないといけない。これから大変な壁がいろいろあると思うが、クリアしていきたい」と強調。学業成績は優秀でありながら、どうやら英語に関してはまだ日常会話すらマスターできていない模様だ。事前準備も満足にはできておらず、この米大学留学決定がかなりドタバタモードであったことがうかがい知れる。

 一方で、受け入れる米大学側も日本のスター候補生の〝留学宣言〟に戦々恐々としているようだ。9月上旬に佐々木麟側から問い合わせを受け、現地での施設見学を許可したバンダービルト大の広報担当者は「リンタロウ・ササキが何者か分からず、OBのツテを頼ってMLB球団広報や記者に情報提供を依頼した」と明かし、困惑しているという。

 詳報を知る別の関係者によると「アメリカではカレッジ・バスケットボールに比べて注目度が低い大学野球を取材する現地記者はまずいない。ササキがどこかの大学に入学したとしてどれくらいの数の日本メディアが取材に来るのか。心配事はそこだ。どの大学野球部も対応できる設備と人員を備えている大学はない」と厳しい口調で説明している。

 急転する形で決まった超高校級スラッガーの米大学留学は成功する保証もなく、イバラ道となってしまうかもしれない。