2年連続でBクラスに沈んだ原辰徳監督(65)率いた巨人。来季までの契約を残して引責辞任し、阿部慎之助新監督(44)のもとで再出発を図る。3年ぶりのV奪回を目指しながら、CS出場も果たせなかった舞台裏では何が起きていたのか…。最終回は「不幸な内部崩壊」だ。

【巨人2年連続Bクラスの裏(最終回)】苦戦続きだったチームは大型連勝もないまま阪神に独走を許し、夏場を過ぎても優勝争いに絡めず、旗色は悪くなる一方だった。

 誰もが「一日、一日」と切り替え、最善を尽くしたつもりでも好転しない。チーム内には焦りとイラ立ちが募るばかりだった。そうしたなか、8月下旬にチームにハレーションを生む配置転換が断行された。大久保博元打撃チーフコーチ(56)ら首脳陣とスコアラーの指示が食い違うケースが何度もあり、当該スコアラーが交代となったのだ。

 シーズン終盤での人事異動がチーム内に与えた衝撃はすさまじかった。監督やコーチが選手たちに目を光らせるように、選手も指導者の一挙一動には敏感だ。一部の主力選手からは「デーブさんが〝スコアラーを代えろ〟とか言っているんですよ。結局、人のせいにするんですか」「勝てないのは結果を残せない僕らが悪いと分かってますよ。でも、立場が弱いスコアラーのせいにすることないじゃないですか」などと反発の声も上がっていた。

 ナインからの矛先は打撃の責任者の大久保コーチに向けられたが、実態は異なっていたという。「そのスコアラーを動かしたのはチームとしての決定で、大久保コーチが言いだしたものではない。周りから〝悪者扱い〟されることも覚悟していたようだが、チームのためなら構わないと考えていた」(チーム関係者)。この配置転換について、致命的だったのはチームから選手たちへ明確な説明はなされなかった点だ。そのためナインの間に広がった臆測が独り歩きし、さも大久保コーチが当該スコアラーを飛ばしたかのように〝既成事実化〟してしまったという。

 いずれにせよ、首脳陣も選手もそれぞれの立場で必死になっていたさなかでの悲劇。感情のもつれは解消されないまま、チームは9月29日に終戦を迎えた。

 原監督は道半ばながら今季限りで退任し、後を追うように大久保コーチも退団する意向を固めた。激動の時を迎えた伝統球団。阿部新監督のもとコーチ陣の組閣をはじめ大刷新して巻き返しを図る。(おわり)